だらだらと書き連ねてきましたが、これからの春の悪雪対策の話をしましょう。
あくまで私個人の考え方なのですが、ワックスに対して「滑る」「滑らない」という考えはあまりもっていません。
私にとって「ワックスを入れる」という作業は、「滑走面の保護」なのです。
滑走面を保護したついでに滑りが良くなるという感じでしょう。
蔵王の樹氷嵐でボロボロになった肌に、妻から借りて化粧水?や乳液?(よく分からないけど、つけろといわれたものをつけてます)をつけるのと、滑走面にワックスを入れるというのは似たようなものととらえています。
私の現在の板は、かなりワックスの浸透が進んでいるようで、一日滑ったくらいではツヤツヤ感が残っています。とあるスキー場で滑落したことがあるのですが、スローモーションで落ちていきながらも、外れて私の横を落ちていく板の滑走面を見て「キレイだなぁ」なんて思ったりしたくらいです。(笑)
しかし、ひとたびリムーバーでワックスを落とすと、その真っ白でケバ立った滑走面に卒倒しそうになります。
滑る板というのは、ケバをできる限り抑えた板であり、滑っているあいだもケバを抑え続けるために、できるだけ硬いワックスを入れたものではないかと私は考えています。(もちろん、エッジなどを含めて他の要因もありますが、それはまた別の話で…)
ワックスには、対応する温度帯がありますが、それさえも高温用はベース中のベースであり、それの繋ぎとして中温用があり、最終仕上げとしての低温用としか考えていません。
ともかく滑走面を硬く仕上げ、TOKOのフッ素入り生塗りやノットワックスなどで、現地の雪の状態に合わせて手を入れずに滑るのか、何か手を加えるのかを決めればよいというのが私の基本的な考えです。
ちなみに、ワックスはTOKOを使っています。
TOKOを使っている理由は、もっとも硬いワックスが-30度までとなっているからです。
-30度は、他の社にもあるのですが、加えて軟・中・硬のスリーシステムであることも挙げられます。
ワックスを入れたら、やっぱり一昼夜置いた方が落ち着くように思えるので、毎週滑りに行くことを入れると、ズボラ男には1組3回が限界です。
しかし、TOKOはワックスの粘性が低いように感じています。
単体ではベースバーンを起こしやすいのではと疑っています。
そこで、TOKO単品にこだわらず、某社のワックスと混合しながら使っています。
硬いワックスを入れた効能ですが、厳冬期や春にかかわらずケバが抑えられることに加え、春はゴミを吸着しづらいようです。
この「ゴミを吸着しづらい」というのが、黄砂対策の大切なことだと思います。
昔は、春の雪には高温用と低温用をミックスすると良いなどと言われていましたが、ノットがあれば低温用のガチガチに仕上げても大丈夫です。
そして、ありきたりですがフッ素を使うこと。
どんな雪でも、高温用ワックスにグラファイトを混ぜるとワックスの保ちが良くなるように感じますし、ノットを塗っても保ちが良くなります。
難点は、ワックスが真っ黒になるので、剥がしたときのカスに気をつけなければならないことと、滑走面が黒くなってしまうこと。
しかし、残念なことに黄砂を滑るとフッ素でさえすぐに剥がれ、汚れ、数本で滑走感は落ちてしまいます。
ここまでしても、黄砂にやられてしまえば滑らないときは滑らないのです。
そうなったら、クリーニングすることが一番です。
ガリウムからは、「2ウェイ クリーナー」なるものが発売されています。これはクリーニングをしつつもベースワックスを塗ってくれるという優れもの。リンスインシャンプーみたいなもので、リムーバーインワックスというところでしょう。ただし、若干割高です。
メーカーのワックスマンに聞いたところ、普通のスプレーワックスの中にもリムーバーが入っているということなので、先シーズンよりホルメンコルのスプレーワックスをカバンに入れて滑ってます。
晴れてさえいれば、コース外に板を並べてワックスを塗って、ブラシを掛けて、持ってきたペットボトル飲料でひと休みというのもオツなものです。
あまり特効薬にはならないと思いますが、滑らないものは仕方ないということで…。
今後も研究を続けます。
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