オマーン国の王族系企業 被災地企業に浄水器26億円分発注

オマーン国の王族系企業　被災地企業に浄水器26億円分発注
2011年06月26日07時00分

大津波にあって海岸沿いは全滅し、原発からは10数キロ～40キロ圏内にある南相馬市。一部は強制避難させられ、一部は屋内退避（震災当初）。また、一部は30キロ圏内で放射能は怖いが、生活は自由。『がんばらない』著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏が、この町の現在を報告する。

＊　＊　＊

6月10日、僕は、南相馬に講演に行った。町では、地元の企業である「落合工機」に中東のオマーンから、約26億円の浄水器の大量発注があったという元気なニュースで沸いていた。その会社の斉藤秀美社長に話を聞いた。

オマーンとの取引は、昨年の12月からだったという。「オマーンの王族系企業からの依頼だったのですが、最初は雲をつかむような話で、詐欺にひっかかってはいけない――と疑っていたのです」と斉藤社長は笑う。

実は、その話をまとめたのは、中東の農業支援をしているNGOが母体の企業、J-action。ここと事業組合を設立し、中東向けに移動式の小型浄水器24台を作るというのが事の始まりだった。アフリカやアラブの耕作不適格地の土壌改良をし、浄水を提供できるのは、なんてやりがいがある仕事だろうと思ったらしい。

しかし、3.11の大震災で落合工機は大打撃を受けた。従業員の家は津波で流され、原発事故による屋内退避で工場は稼働停止。斉藤社長は「会社がつぶれてしまう」となかば諦めかけていた。

そこへ、再びオマーンからの浄水器の発注である。しかも700台の浄水器と14台の大型浄水器を合わせて、26億円という願ってもいない大きな契約。そしてさらに温かなサプライズの申し出が上乗せされていた。

被災者の役に立つのなら、その新品の浄水器を被災地で使い、その後にオマーンに届ければいいという注文だったのだ。

オマーンの王族系企業は、被災地の企業の連携の中で浄水器を作ってほしいと言ってきた。斉藤社長によれば、南相馬の20社近くの企業に仕事が回る予定だという。お互いに部品を調達し、南相馬の経済が回り出す。

オマーンの企業には、26億円を日本赤十字社を通じて寄付するという方法もあったはずである。しかし、それをしなかったところがえらい。

二宮尊徳という方をご存じでしょうか。
二宮金次郎といった方が分かりやすいですね。
薪を背負って、本を読みながら歩いている銅像で有名な方です。

二宮尊徳という方は、農政家なんですね。
各地の農業経営を良くしようとした学者兼政治家であり、思想家です。

二宮尊徳の考え方は「報徳仕法」と言うものです。
余談になりますが、小田原に行くと「報徳」という言葉をよく見ますね。

さて、その「報徳仕法」ですが、大雑把に言うとこんなことです。
複数の困窮した村があったときに、尊徳はその中でも一番豊かな村に投資するのです。
ここが、今の政治家と違うところです。
今の時代の考え方だと、一番貧しい村にとか、全ての村に公平に、とか言い出しますよね。

一番豊かな村に投資をする理由は、それが一番早く投資した金額を回収できるからです。
回収したら、二番目・三番目と投資をしていきます。
また、投資された一番豊かな村からの経済効果も見落とせません。
一つの豊かな村が生まれれば、周りの村も豊かになるのです。

さすがに、お金持ちの国はお金の使い方が違うというニュースです。

尊徳の報徳仕法は、上手くいったところもあれば、思ったよりも時間がかかったところもあります。
ただ、かといって一番貧しい村に補助をしたり、均等に分けたとしても、上手くいったかは分かりません。

ただ、今の日本はお金がないんですよね？

それならば、この際「報徳仕法」でも良いのではないでしょうか。
選ばれなかったところには怨嗟の声で溢れるかもしれませんが、岩手県１ヶ所、宮城県１ｏｒ２ヶ所、福島１ヶ所に投資を集中させて「復興」を急ぐ。
他のところは「回復」程度に留めておくのも一つの方法でしょう。
もちろん、華美な施設は作らせない。

また、国からの資金に限界があるのなら、東北・常磐・磐越とその周辺の高速を全線普通車５００円、中大型１０００円などにして、他の県民たちからの観光を促す方法もあると思います。
予算に無理があるのなら土日だけでも。
被災者はそのまま無料でいいと思います。

前にも書きましたが、税なんか消費税増税とかいうから時間がかかる。
募金代わりに、被災していない成人した国民が１人１万円出せば、５０００万人から集めて５兆円。
東日本大震災の募金箱なんか、札だらけじゃないですか。
２・３年続ければ、福島第一原子力発電所事故対応の東電に貸し付けることも出来るでしょう。

ＩＭＦから、消費税１５％という意見がありますが、こんなもの財務官僚がＩＭＦに忍び込んで言わせていること。
円の価格と株価が、世界から見た日本を表しています。

日本を復興させるのに、平等思想は邪魔だと思いますよ。