上関原発の埋め立て免許、山口知事「延長認めない」
中国電力(広島市)が山口県上関町で進める上関原子力発電所建設計画について、同県の二井関成知事は27日の県議会で、来年10月で失効する予定地の公有水面埋め立て免許の延長を認めない方針を表明した。
国がエネルギー政策の見直しを打ち出していることを受けたもので、中国電力が計画する来年6月の原子炉着工の大幅な延期が決定的となった。
6月定例会で自民党議員の代表質問に答えた。二井知事は「国がエネルギー政策を見直していて、埋め立ての目的の原発立地自体が不透明な状況となっている。このような状況が続く限り、たとえ延長申請があっても認めることはできない」と述べた。
上関原発は、瀬戸内海に面した海域約14万平方メートルを埋め立て、陸上部を含む計約51万平方メートルの敷地に原子炉2基を建設する計画。県は海域の埋め立て免許を2008年10月に許可した。中国電力は09年10月に着工したが、ほとんど進まないまま福島第一原発の事故後、県の要請を受けて中断している。(2011年6月27日 読売新聞)