放射線の健康への影響を討論
6月22日 23時22分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射線の健康への影響に不安が広がるなか、被ばくはどこまでが安全なのか、意見が異なる専門家が議論する討論会が東京で開かれました。
この討論会は国立がん研究センターが開いたものです。福島第一原発の事故を巡っては、放射線の健康への影響がどの程度なのか、専門家によって意見が異なり、一般の人達の間で不安が広がっています。討論会は意見の異なる専門家が議論することで、どう対応すればよいのか、共通の理解を得られるようにと企画されました。会場には7人の専門家が参加し、このうち100ミリシーベルト未満の被ばくの影響について、北海道がんセンターの西尾正道院長は「20ミリシーベルトでも、がんになるリスクは僅かだが、上がるので将来、がんになる人が増える」と述べ、健康への影響があるという考えを示しました。一方でICRP=国際放射線防護委員会の委員の大分県立看護科学大学の甲斐倫明教授は「これまでの研究で、100ミリシーベルト未満の被ばくで健康への影響が起きるという十分なデータはない」と述べ、健康に影響が出る人はなかなか見つからないという見方を強調しました。そのうえで討論会では、放射性物質を体内に取り込む内部被ばくの調査を巡って議論され、放射線の健康影響を考えるためには内部被ばくの量を正確に検査することが大切だという意見が相次ぎました。今回の議論を受けて、国立がん研究センターは、国に対して内部被ばくを含めた住民の被ばく量について速やかに検査するとともに、住民の不安に応えられる相談態勢を整えるよう求めることにしています。
こいつらは「十分なデータはない」って言うんだよ。
それは、科学者としては正しい姿勢かもしれないけど、人間としてはどうなの?
数年後に被害者が出ても、あのときは「十分なデータはなかった」って言うんだよ。