「戦犯」たちによる代表選が始まる――菅内閣の閣僚たちに首相の資格はない
戦犯たちによる代表選が始まる。日本では「犯罪者」たちが政権をたらいまわしにしようとしている。
3.11の東京電力福島第一原発事故以降、菅内閣は、東電の情報隠蔽を追認し、放射能事故の対応を誤り続けるという失態を繰り返してきた。その結果、多くの国民が被曝し、世界に対しては、日本という国家の信頼を損なうことになった。
福島の子どもたちの多くが汚染に被曝し、7万人を超える住民がいまなお自らの土地と家を失ったままでの生活を余儀なくされている。
何の罪も無い善良な国民を、不幸のどん底に叩き落した東京電力の事故の責任は重い。
原発事故の発生当日、
緊急冷却装置が人為的に停止!
川内博史、原口一博両衆議院議員の粘り強い調査の結果によれば、事故発生当日、福島第一原発の緊急冷却装置が人為的に3度にわたって止められていたという。この信じがたい行為自体は、政府も、東電も認めている。問題は、なぜ、そのような愚かな行為をしたのかということだ。
装置を止めたのはあるひとりのオペレーターによるものだが、仮に、そうしたことをしなければ、メルトダウンも、メルトスルーも、その後の放射能の拡散も防げたかもしれない。
それを考えれば明らかな人災、いやもっといえば犯罪である。言葉は強いが、テロ行為に匹敵する悪行である。
原口氏、川内氏は、繰り返しその理由を問い合わせている。にもかかわらず、この数ヵ月間、明確な回答は得られていない。
当初の東京電力の言い訳は、急激な冷却は、原子炉に危険を及ぼすという頓珍漢なものだった。実際は、そうしたことを回避するためにプログラミングがなされており、人為的な作業は不要なのである。
「私は、では、その緊急冷却装置の作業マニュアルをみせてくれと言ってきているんです。マイナス55度になるから止めた、というのは合理的な説明にならない。仮にそんな緊急装置であれば、日本にあるほかの原子炉も危険ということになる。説明が矛盾しているんです」
原口氏はこう語る。
ひとりのオペレーターによる作業ミスが、日本に、いや人類史上最悪の原発事故をもたらしたとなるとやりきれない。それが事実かどうかを判断する上でも、菅内閣の面々こそ、当事者として調査をするべきではないか。
また、東京地検特捜なども、このときこそ、東京電力への捜査、少なくとも証拠の保全を行うべきではないか。
前原前外相は
菅内閣の「戦犯」筆頭格
誰一人責任を取ろうとしない原発事故を横目に、民主党代表選が行われる。そこに並ぶ候補予定者の名前は、信じがたいことに、戦犯ともいうべき人々である。
前原誠司前外相は、菅内閣の「戦犯」の筆頭格である。
国土交通大臣として八ッ場ダムでしくじり、JALの対応で力を発揮できず、さらには尖閣ビデオの対応で、国家を裏切るような誤りを犯した。
さらに、外相としても、外国人やフロント企業からの違法献金という「政治とカネ」の最たる問題で辞任、政治家として責任を取ると宣言したばかりだった。
もっといえば、民主党代表時代の偽メール問題でも、ライブドア元社長の堀江貴文氏との裁判に負けたにもかかわらず、前原氏だけからは謝罪のことばすらない。
責任を取らず、責任から逃れ、責任を転嫁する彼のいったいどこが首相に相応しいというのか。
そうした彼の癖はまた、情報公開に逆行して、記者会見を縮小させたことと無関係ではない。彼の隠蔽体質は記者クラブメディアと共通するところだ。
3.11以降の発災以降、何もせず、何も発しなかった政治家だけが、マスコミの餌食
とならずに済むのはそのためである。
その前原氏は、マニフェストの見直しを訴えている。マニフェストは国民との契約のはずだ。
ところが、日本では、なぜかそれを取り消そうとする勢力が持ち上げられ、約束を守ろうとする政治家が責められる。まったくもって理解に苦しむ限りだ。
もはや民主国家の体をなしていない。
菅内閣の閣僚たちも「共犯」
世界は原発事故の収束を注視
鹿野道彦農林水産大臣は、放射能の拡散を予測して農家や漁民、そして畜産家に適切な対応を指示できなかった日本の食文化の破壊者である。
次から次へと農産物を出荷停止にさせたばかりか、発表の遅れによる国民への内部被曝を誘発させてしまった。国民の食を預かる大臣としては失格である。にもかかわらず、彼が首相候補になることに異論はないという。
海江田万里氏は、経済担当相として失政を繰り返してきた。なぜ、東京電力に騙され続け、原発事故の対応を遅らせ、多くの国民を被曝させた「犯罪者」が首相になれるというのか。
財務大臣であった野田財務大臣も同様に資格を持たない政治家だろう。なにより、原発事故という最も喫緊のテーマを語ろうとしないのだ。それで「増税」や「大連立」を語っても説得力は無い。
なにより国民の最大の関心事は、放射能の飛散状況であり、それにともなう内部被曝による自らの健康と生活がどうなるかの一点である。
原子力マフィアのはびこる日本では鈍感な者が多いのかもしれない。だが、世界は、「増税」にも「大連立」にも注目していない。
注視しているのは、日本政府が対応をしくじった原発事故をどう収束させ、どう国際的な賠償を贖うかにしか関心が無いのである。
そうした意味では、菅内閣に関わった者はすべて人災を起こした「戦犯」である。犯罪者は責任を取らなければならない。
共犯関係にある民主党議員が愚かな選択をしないことを祈る。
震災後、上杉という人は持ち上げられすぎていて、その言葉尻に乗るような感じで嫌なのだけれど、私が思っていることと同じ思いの発言をしてくれてスッとしました。
福島第一原子力発電所で何が起こったのかを検証していく上で、菅内閣の閣僚ほど邪魔な存在はない。
原発の収束とは、放射能が出なくなって収束ではない。
なぜこのような事態が起こったのか?
誰に責任があったのか?
その責任が問われて始めて収束といえるのではないか?
事故の刑事責任を問え!