「逃げなかったバカなやついる」 東日本大震災の津波避難で平野担当相
2011.10.18 18:37
平野達男震災復興担当相は18日、東日本大震災の津波被害に関し「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカなやつがいる。彼は亡くなったが、しょうがない」と述べた。福島県二本松市で行われた参院民主党の研修会のあいさつで語った。犠牲者やその遺族への配慮を欠いた発言で、進退問題に発展する可能性も出てきた。
平野氏は、大震災時に堤防の門扉を閉めに行った消防団員や、安全とされた避難所などに逃げた人が津波にさらわれ犠牲になった例を紹介した上で、同級生の話を披露。研修会後、記者団に「不快な思いをされた方には心からおわびする」と謝罪した。
平野氏は参院岩手選挙区選出で当選2回。7月に被災地への“暴言”で辞任した松本龍氏の後任として震災復興担当相に就任、9月に発足した野田佳彦内閣で再任された。野田内閣では9月に鉢呂吉雄経済産業相(当時)が東電福島第1原発事故の周辺地域を「死の町」などと発言し、就任9日目で辞任している。
平野氏の発言に対し、自民党の大島理森副総裁は記者団に「首相の任命責任と閣僚として適格か追及しなければならない」と語り、小野寺五典衆院議員(宮城6区)も「私の同級生も何人も亡くなったが、『バカ』という言葉は使えない。遺族を傷つける軽率な発言だ」と批判した。民主党の斎藤恭紀衆院議員(宮城2区)は「平野氏は一生懸命やってきたと思うが、台無しだ」と語った。
怒りの被災者「母はバカだから死んだのか」
2011.10.18 20:49
「母はバカだから死んだのか」-。平野達男震災復興担当相の「(津波から)逃げなかったバカなやつがいます」という発言。前任の松本龍氏が「知恵を出さないやつは助けない」と発言して辞任してからわずか3カ月、被災地の思いを踏みにじる発言に、地元や識者からは、怒りを通り越して驚きあきれた声が上がった。
「おふくろは足腰が悪くて逃げたくても逃げられなかった。バカだから死んだの? 大臣、議員として以前に人としてありえない。辞職どころではすまされない」
宮城県南三陸町の無職、三浦達也さん(43)は声を荒らげた。
津波当日、母親は自宅2階にいた。「足腰が悪いから、外に逃げるより2階にいた方が安全だと思った」。しかし、母親は津波で家ごと流されて亡くなった。「なんで連れて逃げなかったの」。母親の友人に責められたこともあった。「今も悩んでつらい。あの時を知らないやつに何も言われたくない。みんな必死だった」と三浦さんは話す。
知人の消防署員は、救助に向かう途中で亡くなった。近所の自転車店の店主は、顧客の自転車を守ろうとトラックに積んでいる最中に流された。友人は妻と3歳の子を亡くし、4カ月の子はいまも見つからない。「亡くなった2万人の遺族の前で言えるの? 唖然とするしかない」。三浦さんの怒りは収まらない。
平野氏の発言があった福島県二本松市では、9月のコメの放射性物質の予備調査で国の暫定基準値ちょうどの500ベクレルのセシウムが検出され、今月6日の本調査でようやく安全が確認され、18日に初出荷が始まったばかりだった。
市内で米穀店を営む桑原賢治さん(68)は「とんでもない発言だ。言葉が軽すぎる」と驚きを隠さない。「被災地に来てくれるのは良いが、本当に地元の気持ちが分かっているのかと思う。真剣に地元の立場に立って対策に取り組んでほしい」と話した。
津波で壊滅的被害を受けた宮城県南三陸町の水産加工工場に勤めている男性(59)は「今回の震災で感じたことは、いいことでも悪いことでも、普段の生き方や本性が言葉や行動に出てしまうということ。今回の発言も被災地について思っていることの一端がつい出てしまったのではないか」と話す。
福島県と隣接し、津波被害で沿岸部が大きな被害を受けた茨城県北茨城市の元市議、松本健一郎さん(56)は「津波が来ると分かっていたら家でふんぞり返っている人はいないよ。逃げ遅れた人もいたのに…。被災者の立場を分かっていない」と嘆いた。
仙台市の会社経営、安藤哲夫さん(64)は「被災者がどれほど苦しんでいて、そのような発言でどれだけ傷つくか、自分のこととして考えないからそんな軽い発言ができるのではないか」とあきれる。
「他の国にこんな発言が伝わると思うと恥ずかしい。平野さんには『あなたがバカだ』と言いたい」と怒りを語った。
いい加減に、言葉の一部分を切り取って、それで非難をするのはやめようよ。
それで非難するマスコミも阿呆だし、その記事を見て非難する国民も阿呆。
さらには、マスコミのニュースにまで出てしまう阿呆。
くだらない。