次いで北円堂です。
こちらは建物そのものが国宝です。
一度入ったことがありますが、周辺に伽藍を作る礎石はすでに配置されています。
南円堂に入ったあとだと、こちらの方が小ぶりに感じます。
平家による南都焼討のあとに運慶一派によって再興されたそうです。
南円堂の観音菩薩さまよりも小さく、キラキラ感もない落ち着いた雰囲気の弥勒如来さまが中心にいらっしゃいます。
光背は後ろから見ると大きなハート型になっているのは、宣伝したら人気が出そうな気がします。(笑)
入って手を合わせたのですが、ずーと横にの世親菩薩さまに見つめられていて、ちょっとドキドキしました。
世親菩薩さまと無著菩薩さまは北インドの兄弟僧侶ということです。(国宝)
個人的に見応えを感じるのは、平安時代初期に作られた四天王立像。(国宝)
持国天・増長天・広目天・多聞天のどなたも武器が無くなっています。
木心乾漆造という、木くずと漆を混ぜたもので作られているのですが、南円堂の四天王さまよりも模様は鮮やかに残っています。
平安時代初期には「玉眼」という技法はなかったので、目は墨で丸く塗られていますが、とくに持国天さんの表情はそのおかげで可愛らしい感じになっています。
こちらにも合計7体の国宝です。
さらに、弥勒如来三尊の形式を整えるために、脇侍に法苑琳(ほうおんりん)菩薩さま、大妙相(だいみょうそう)菩薩さまが置かれています。