「海軍を作ろう!」
まさかそのままのタイトルでいくとは思いませんでした。
たびたび書いていますが、GWが入ったばかりの時に、CSの「草燃える」が最終回でした。
第50回「三浦義村の策謀」
第51回「承久の乱」
策謀ですよ、さくぼう。
実際、内容もすごいの。
第49回「実朝暗殺」で2代将軍頼家の子、公暁が実朝を暗殺するのですが、そのとき同時に暗殺するはずだった北条義時(松平健)は事前に察知して暗殺を逃れ、暗殺の陰の指令者である三浦義村(藤岡弘、)の背後からヌッと現れるところで終わっています。
ここらへんは、子供の頃に見たときにも思ったのですが、義時と義村の丁々発止のやりとりは、将棋の対局を見ているようで、ものすごくおもしろかったものです。
ちなみに松平健は、その前日に「暴れん坊将軍」で察そうと悪人を退治していますし、藤岡弘、は仮面ライダーの記憶もまだ残っています。
この2人が悪人メークでやり合うのですから、おもしろくてしょうがなかったです。
で、その第50話では、公暁をそそのかして実朝を暗殺させた三浦義村ですが、北条義時が生き残ったことでクーデターをあきらめ、あっさりと公暁を殺すことを決めてしまいます。
義村は公暁の乳父でもあるため、直接手を下さずに家人の長尾定景に公暁を討ち取らせることによって、二重・三重の保険をかけるあたりが史実でもその通りなのですがなかなかの策略家です。
息子と孫を殺されながらも正義の筋道を正そうとする北条政子に対して、執権北条義時と三浦義村は、あっさりと手打ちを決めてしまいます。
ここらへんの正義が必ずしも通らないという作りも、心躍ります。
もうね、草燃えるのドロドロっぷりはすごいですよ。
でまあ「海軍を作ろう!」なんですけどね、なんて軽いタイトルなんだろうとつくづく。
「半平太の凋落」とか「土佐勤王党崩壊」とか、なんかもうちょっと無かったのかねぇ。
「海軍を作ろう!」
まあ、いいですけどね…。
中身的には、繋ぎの回でしたね。
龍馬は悩みっぱなし。
半平太はフラフラしっぱなし。
弥太郎に至っては出番無し。
ストーリーは若干進んで、半平太の周りから人が去っていくことと、龍馬のやりたい「海つく」に、最初は嫌々だった人々ものめり込んでいくというもので、それはそれで面白かったです。
また、今後も龍馬の周りを彩る、近藤長次郎・沢村惣之丞・望月亀弥太・高松太郎・千屋寅之助などの面々に若干ながらスポットがスライドしてきているのも嬉しかったですね。
個人的には、大泉洋と同じ事務所の音尾琢真(noちゃん)の露出が増えて安心しました。
さらには、基本的には悪人顔の宮迫博之ですが、ここにきて「草燃える」には遠く及ばないものに悪人ぶりを発揮しつつあるのも良かったです。
でも、平井収二郎の出番はあと2回。
キャラ立ちする前に終了のようですね。
それにしても、今回の終わりは今後の展開に不安を覚えます。
武市半平太がなんであんなにヨレヨレのグダグダなの?
誰も居なくなっちゃうって、演出として半平太の凋落を描きたいのでしょうが、実際の半平太は牢にあっても影響力があったわけだし、あまりにもちっちゃく描きすぎじゃないか?
龍馬だけ正しくて、尊皇攘夷を訴える半平太は間違えだったのか?
それは、歴史を知っているものの後付の目線であって、当時の下級武士にしてみれば尊皇攘夷こそが大多数の正義だったんじゃないかと思う。
どうせ主役はいつでも勝てるんだし、無理にこんなところで勝ちを拾いにいかなくっていいんじゃないか?
草燃える 第50回「三浦義村の策謀」を見直してほしい。
余談ですが、公暁を討ち取った長尾定景が、後の越後の長尾氏→上杉氏となったりするので歴史は面白いです。