官房長官 海水注入の中断指示せず
5月22日 19時48分
枝野官房長官は、記者団に対し、東京電力福島第一原子力発電所の1号機で、地震発生の翌日に、原子炉を冷やすための海水の注入を1時間近く中断していたことについて、総理大臣官邸から中断を指示したことはないという認識を示しました。
福島第一原発の1号機では、地震発生の翌日に水素爆発が起きたあと、原子炉を冷やすために海水を入れる作業を始めました。しかし、作業開始後まもなく、海水の注入を1時間近く中断していたことが明らかになり、東京電力は「総理大臣官邸で、『海水を入れると核燃料が再臨界を起こす危険性がある』という議論をしていると聞いたためだ」と説明しています。これについて、枝野官房長官は、22日、青森県三沢市で記者団に対し、「少なくとも私自身の認識では、東京電力がやっていることを止めたようなことは一度も承知していない。何度も『なぜ早くやらないんだ』と催促したことは知っているが、逆方向のことは一切ない」と述べ、総理大臣官邸から海水注入の中断を指示したことはないという認識を示しました。さらに、枝野長官は、岩手県久慈市で記者団に対し、海水注入の中断を知らされていたかどうかについて、「少なくとも私の記憶にはない。やっていることを止めるという話があれば、記憶に残っているはずだ」と述べるとともに、再臨界が起きる危険性があるという懸念を誰が指摘したかについては、「どなたが指摘してどういう議論をしたかの記憶まではない」と述べました。