IAEAと安全委、土壌めぐる見解相違で混乱
福島県飯舘村で検出された高濃度の放射性物質を含む土壌を巡って、国際原子力機関(IAEA)と内閣府・原子力安全委員会の見解が分かれ、混乱が広がっている。
IAEAは独自の土壌調査を行い、日本政府に避難勧告を検討するよう促したが、安全委は「判断基準の物差しが違う。日本の方が総合的に判断しており問題ない」と反論している。
飯舘村は福島第一原発の北西約40キロに位置し、屋内退避を勧告された20~30キロ圏内の外側にあたる。IAEAは同村で、土壌の表面に付着している放射性ヨウ素131とセシウム137ほか、空気中の放射線量の割合を調査。放射性ヨウ素131が、土壌表面の1平方メートル当たり2000万ベクレルで、IAEAの避難基準の約2倍に相当するとしている。
これに対し、日本は土壌を深さ約5センチまで掘り、採取した土壌1キロ・グラム当たりの放射性物質濃度を調べている。このほか、空気中の放射線量の割合、空気中のほこりや飲食物に含まれる放射性物質濃度なども測定し、人への影響を考慮している。
(2011年4月1日20時13分 読売新聞)
原発から2~7キロの土壌 プルトニウム検出せず
2011.5.19 23:25
文部科学省は19日、福島第1原発から約2~7キロの地点で採取した土壌に毒性の強い放射性物質プルトニウムが含まれているか調査した結果、今回の事故によるものは検出されなかったと発表した。
土壌は、4月29日から5月1日にかけて、福島県大熊町と双葉町の計4カ所で採取。うち3カ所で微量のプルトニウムを検出したが、同位体の比率から過去の大気圏内核実験によるものとした。
書こうと思っていたら、追加記事が出てきました。
ニュースを見るときに
○○Bq/m2
○○Bq/kg
の違いに注意しましょう。
上段がIAEAの測り方で、下段が日本政府です。
簡単に言えば、IAEAは土の表面を測っているのに対して、日本政府は土の中まで掘って混ぜて測っているのです。
もちろん、日本政府の測定方法の方が数値は低くなります。
ついでに、上の記事の5月19日に発表された「福島第一原子力発電所から20km圏内の土壌試料の分析結果」です。
これは、早野先生の受け売りですが
(参考2) 検出の基準としては、A±Bにおいて、AがBの3倍より大きければ、検出されたものと判断されます。
がくせ者です。
あと、意図的に北西方向からは測定していませんね。
実際、企業名は公表されていませんが、ふくいちから50km離れた田んぼより高濃度のプルトニウムが検出されているという情報があります。
アメリカでもふくいち由来のプルトニウムが検出されています。
この矛盾はなんなんでしょうね。