ベントの影響評価、東電が公表せず…1万1千枚の保安院公表資料で判明
2011.6.25 01:30
福島第1原発事故で、東京電力が事故直後の3月12~13日に、1~3号機の原子炉格納容器内の蒸気を外部放出する「ベント」をした場合の周辺地域に与える被曝(ひばく)線量の評価を実施し、経済産業省原子力安全・保安院に送付していたが、公表していなかったことが24日、保安院が公開した資料で明らかになった。東電は「当時の担当が不在で、なぜ公表しなかったかコメントできない」とした。
保安院は24日夜、事故直後から5月末にかけ、東電からファクスで受け取った文書など計約1万1千枚をホームページに公開した。
このうち、3月12日午前3時半ごろの第1原発所長名の文書では、2号機でベントした場合、外部に出る放射線量を予測。「前提条件」として燃料破損を意味する「重大事故(Fuel破損あり)」と手書きされている。その後、翌13日にかけて計5回、1~3号機のベント時の周辺の放射線量の評価も行っていた。
また、15日時点ですでに、東電が1~3号機が70~25%炉心損傷したと評価していたことも資料で判明。炉心損傷をめぐっては、東電は4月6日になってこの値を公表、後に炉心溶融していたと発表した。
【東京電力株式会社から送付された原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報資料等の公表について】
【東京電力株式会社から送付された原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報資料等の公表について〔福島第一原子力発電所3月〕】
ここの12日のところを見ると、全44ページ中の7ページ目からが放射線物質の拡散予測になっていて興味深いです。
これは、東電とSPEEDIが連携しているのか、それとも東電(電力会社?)独自の拡散予測ソフトを作っているのでしょう。
(あの修羅場の中で地図にグリグリと等高線状の印を付けるとは思えませんし)
それなら、万が一にも次の事故が起こった際には、政府にSPEEDIを出せと言うより、その電力会社に拡散予想図を出させた方が早そうな気がします。
拡散データさえあれば、北西に逃げてしまったり、放射能が濃い状態で水汲みに並ぶということから避けられたはずです。
後出しになってしまいますが、12日の爆発以降はひっきりなしに風のデータを見ていたので、せめてツイッターやブログに書けば少しは良かったんじゃないかと後悔しています。
ただあのときには、自分の人生で地震と原発は途中で切り捨ててしまったものなので、例え切り捨てなくても自分に何かできたわけではないのですが、悔しくて悔しくて、画面を見つめながらだーだーと泣いていて冷静さを欠いていたのでしょう。
正直、自分が逃げ出すギリギリのタイミングを見計らうことしか頭にありませんでした…。
スミマセン…。
話は戻りますが、嫌がらせのような枚数を一気に公表するもんです。
こんなにまとめて公開されると、いろいろと誤魔化しができちゃうんじゃないかって疑ってしまいます。
こうも量が多いと、見たいものを絞って見ていくといいですよ。
あと、キレイにワープロ打ちされたデータこそ疑いましょう。
欠けているデータも多く、気になるところがいくつかあるのですが、その話はのちのち。