福島第2でも汚染水放出検討=30億ベクレル、東電打診-保安院
経済産業省原子力安全・保安院は8日、東京電力が福島第2原発の原子炉建屋などにたまった放射能汚染水を海に放出することを検討していると発表した。総量は約3000トンで、放射性物質は30億ベクレルとみられ、保安院や自治体、漁業関係者に打診している段階という。
保安院によると、第2原発のたまり水は東日本大震災の津波で建屋内に浸入した海水。含まれる放射性物質はマンガン54やコバルト58、60などで、配管のさびなどが海水に含まれたためとみられ、ヨウ素やセシウムなどは検出されていない。
このうち、コバルト60の濃度は1立方センチ当たり0.3ベクレルと、水中の濃度限度として定められている同0.2ベクレルよりも高い。汚染水を放置しておくと、設備の腐食などが進む恐れがあるため、東電は放射性物質を検出されないレベルまで除去した上で、放出したいとしている。(2011/06/08-12:58)
〔時事ドットコム〕
福島第2原発:放射性汚染水の海への放出検討 批判の声も
東京電力は8日、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)のタービン建屋などにたまった放射性汚染水約3000立方メートルを、海へ放出する検討を始めたことを明らかにした。水産庁や地元漁協などに連絡したが、新たな海の汚染に批判の声が出ている。
放出が検討されているのは、東日本大震災に伴う津波で、建屋地下に入った海水約3000立方メートル。低レベルの放射性セシウムなどが含まれている。燃料の損傷が原因ではなく、通常時に生じるものだが、排水しないと塩分による機器類の腐食が懸念される。
東電は放射性物質の放出限度以下まで処理する方針で、松本純一原子力・立地本部長代理は「放出時期は未定だが緊急に放出が必要と考えていない。関係機関と十分相談したい」と述べた。3日に東電から連絡を受けた茨城沿海地区漁連は「やむを得ないが、心情的に納得できない」と話した。
福島第2原発は計4基の原子炉があるが、いずれも冷温停止している。東電は福島第1原発5、6号機などからも4月、計1500億ベクレルの汚染水を海に放出し、地元漁協や周辺国の非難を浴びた。
毎日新聞 2011年6月8日 11時42分(最終更新 6月8日 12時59分)
第二原発の低濃度汚染水、浄化後に海へ放出検討
東京電力は8日、福島第二原子力発電所の原子炉建屋などの地下階にたまった低濃度汚染水約3000トンについて、浄化処理をした後、海へ放出する方針で、関係省庁や地元自治体と相談を始めたことを明らかにした。
同原発では、津波で流れ込んだ海水に、配管類のさびなどから出たとみられる放射性物質のコバルト60や、約10キロ北の福島第一原発から飛来したと考えられるセシウム137、134などが混ざった汚染水がたまっている。汚染濃度は、海への放出が認められている濃度限界の10~30倍程度。
東電は汚染水を敷地内のタンクに貯蔵しており、水質浄化装置で濃度限界未満まで除染してから海へ放出する計画だが、水産庁などが難色を示しているという。
(2011年6月8日13時28分 読売新聞)
朝の速報を見て呑気な記事を書きました(削除済み)が、追加記事を見るとなんか怪しい。
「など」と書いてあるからどっちでもいいじゃんと言われればそこまでですが、「原子炉建屋など」と「タービン建屋など」のどちらがメインであるかによってだいぶ事情が違ってくる。
ここらへんに一つの言葉のトリックが隠されているように思います。(後述)
また、汚染水については各社バラバラ。
時事は、マンガン54やコバルト58、60のみで、ヨウ素・セシウムは無し。
毎日は、放射性セシウムのみの言及。
読売は、コバルト60と福島第一原発から飛んできた(笑)セシウム137,134と書かれています。
セシウムは出ているのでしょうか?出ていないのでしょうか?
さらには、コバルトなどに関しては「配管類の錆など」由来と書かれていますが、錆?
時事には、1cm3あたり0.3Bqと書いていますが、これは数値を小さく見せるための詐術です。
1cm3あたりなら、1m3あたりに置き換えると、300000Bq。
1ℓあたりなら300Bqということになります。
汚染水3000トンを1ℓあたり300Bqまで汚染させる錆ってどんだけのものよ?
さらに、この汚染水の場所についても記事が分かれている。
時事・毎日は「建屋の中」で腐食が心配と書かれていますが、読売は「敷地内のタンク」に貯蔵。
各社、ソースは東電と保安院が毎日行っていう大本営発表だと思うのですが、こんなにメチャクチャなのが不思議です。
この理由は、おそらく政府・東電側のシナリオができていないまま、東電がうっかり発表してしまったのではないでしょうか?
東電は微妙に天然なので、ときどきこういうことをしています。
さて、記事の中に出てくる「コバルト」。
最近、他のニュースで聞いたことがあると思います。
海水流入で炉内の水質変化 浜岡5号機コバルト検出
汚染水の濃度の濃さなどを考えると、これは1次冷却水が漏れてしまったんじゃないでしょうか?
2次冷却水なら、基準値以下なら許可など必要なく毎日放出しているわけです。
基準値を下げて、放出の許可を得なければならない。
この不自然さが指し示すものは、配管が壊れているのではないかと考えられます。
公表してしまうと廃炉でしょうし、苦しい言い訳を重ねているのでしょう。