「がんばれ」ほどほどに 日本うつ病学会提言
2011年7月2日
東日本大震災の被災者に「がんばれ」と言い過ぎないで――。日本うつ病学会の委員会(河西千秋委員長)が1日、被災者を支援する人たちや報道機関などに向けた緊急提言をまとめ、大阪市で始まった総会で発表した。
提言は、「がんばれ」、「強く」、「絶対」といった励ましが、被災者には時につらく、「これ以上どうがんばればいいのか」と感じることもあると知ってほしい、とした。被災者にも、悲しいことや困ったことを相談するのをためらわないよう呼びかけた。
学会によると、心の傷の多くは時間の経過とともに軽くなるが、2割くらいが悪化したり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったりする。震災から約4カ月たつこの時期、繰り返し励まされたり、過激な報道があったりすると、当時を思い出して重症化する恐れがあるという。
最近「ガンバレ」という言葉は悪い言葉であるかのようになってきている。
「ガンバレ」と言われ続けてつらかった。
「ガンバレ」という言葉が負担になった。
「ガンバレ」で鬱になる・・・。
ここ数年、耳にするようになったけど、私は基本的には「ガンバレ」「ガンバル」という言葉は「おはよう」とか「ありがとう」とかと同じ、人間関係を円滑にするための言葉ではないかと思う。
どちらかというと「お陰様」に近い。
「お陰様」の「陰」って、日本は仏教が根付いている国ですから、影=背後霊=先祖や周りの支援してくれている人たち的な意味なんです。
ですから、友人に「良くやったね」といわれた返答に「お陰様で」と言うことは、斜に構えて突き詰めてしまえば、「たくさんの人の助けを借りて」とういこと。
友人に感謝の言葉を述べているようで、その実、あまり感謝をしていない(笑)ということなんです。
でも、人間関係はこの言葉で円滑になるでしょ。
「ガンバレ(ガンバル)」も似たようなもので、本来は使われていたものです。
元々の言葉の意味には、そんなに重たい意味は持っていなかった。
でも、ここまで言葉狩りにあってしまうと、ガンバレも使いづらいですね。
代わりの言葉を探しますか?
「負けるな」とか。
「くじけるな」とか。
「前を向いていこう」とか。
それとも、少しソフトに
「出来ることをやっていこう」とか。
「ちょっとずつ前に進もう」とか。
苦しくなってきませんか?
実際、石巻の惨状を見たときに、私は「ガンバレ」の言葉の深さに感謝しました。
どんな言葉で言い繕おうとしても、ちょっとだけこの地に来た人間と、この地で生きる人間の感覚には大きな大きな壁を感じ、口から出す言葉が虚しくなってしまう。
本当に空々しく感じるんです。
私は、「ガンバレ」という言葉は好きです。
どんなにつらいときにでも、ちょっとずつでも、一生懸命でも、人間はガンバルしかないと思うから。
「ガンバレ」ってそんなに悪い言葉じゃ無いと思うんだけどな。