生涯累積線量、百ミリ・シーベルト未満に…答申
食品の放射性物質の影響について検討している内閣府食品安全委員会の作業部会は26日、「自然からの放射線量を除き、生涯に受ける累積線量は1人当たり100ミリ・シーベルト未満に抑えるべきだ」とする厚生労働省への答申案をまとめ、発表した。
子どもについては、甲状腺がんや白血病など、大人よりも影響を受けやすい可能性があることを指摘した。
同委員会は、国民に意見を求める「パブリックコメント」を実施したうえで、厚労省に答申する。同省は答申を基に、暫定的に設けられている食品衛生法上の規制値を見直し、正式な規制値を定める方針だが、「政府全体で生涯100ミリ・シーベルトという基準を内部被曝(ひばく)と外部被曝に振り分けるなどの作業が必要になる。すぐに食品の規制値見直しに取りかかるのは困難」としている。
(2011年7月26日12時49分 読売新聞)
なんとなく、このような発表があると騙されるのではないかとか、裏があるのではないかと勘ぐってしまいます。
ただ、ザッと見た感じでは特別悪くは感じません。
そもそも、日本は年間1mSvが基準でした。
70年生きても、70mSvですから、妥当な数値と言えるでしょう。
ただ、ちょっと待った。
【覚え書き】3・11前の日本の自然放射線
このあいだ書いたものですが、例えば神奈川県は0.03μSv/時でした。
そうすると、年間の空間被曝量は262.8μSvでした。
食品はほとんど汚染されていなかったと仮定したとすると、年間に1mSv(1000μSv)になっただけでも3倍になるのです。
武田教授が言うには、空間線量の目安は0.11μSvで年間1mSvですので、内部被曝を合わせると確実に越えます。
そう考えると、生涯で100mSvというのは困難な数値かもしれないというのが現実です。