余録:SPEEDI問題
福島第1原発の事故発生以来、一番腹立たしかったことは何か。研究者と話して意見が一致した。事故当初、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」のデータを政府が非公開としたことだ▲放射性物質の雲は3月15~16日や20~22日ごろに北西方向や関東地方などに流れた。拡散を知らず雲が向かった地域に避難したり、子どもを外で遊ばせた人もいる。「予測さえ知っていれば」。そう思わずにいられない当事者の気持ちはいかばかりか▲追い打ちをかけるように炉心溶融の予測が放置されていたこともわかった。今ごろの公表に驚くが、「事実に基づくデータではないので活用に思い至らなかった」との釈明にもがく然とする。「事実」がわからないからこそ「予測」によって住民を守る。溶融予測も拡散予測もそのためのシステムではなかったのか▲大量の放射性物質の拡散から目を背けたツケは大きい。稲わらによる牛肉の汚染、今も続く新たなホットスポットの発見。半年近くたって「何十年も帰れない」という見通しが飛び出すのも、その「後遺症」と感じる▲「子どもと妊婦を守り、的確な除染を進めるために、清新な有識者による委員会を」。東大の児玉龍彦教授が訴えている。「清新」と断るのは、これまでの「失敗」に関与した人々は言い訳に陥りやすいから。政府の対応を見ると、その指摘にうなずかざるをえない▲残念ながら今の国会にこれまでの失敗に無関係な人はいない。だからこそ、過去の失敗から目を背けずに向き合う。現在進行中の失敗がないか目を光らせ、先手を打つ。そんな真摯(しんし)さと胆力が新政権に問われている。
毎日新聞 2011年9月5日 0時01分
このブログで散々書いてきたことですが、この国は大気中の拡散予測も、海中の拡散予測も余裕で網羅する実力があります。
ドイツやノルウェーなどの拡散予測よりはるかに高レベルな、山の起伏まで考慮に入れた拡散予測が出来るのです。
政府の姿勢は
「今さら知ったところで」
というのが感じます。
しかし、気のせいと言われるかもしれませんが、北風の日には、この重篤喘息患者の身体は明らかに反応します。
正直、冬がくるのは怖い。
ましてや、まもなく出産を控えた教え子や、子供たちを見ていると無事を祈らずには居られない。
花粉なんかよりもはるかに凶悪なのですから、花粉予想並みかそれ以上の予報が必要なのではないでしょうか。
国は、人命を優先させて欲しい。