園庭除染、保護者も負担?千葉・柏の一部幼稚園が請求
2011年9月17日14時59分
東京電力福島第一原発事故の後に高い放射線量が測定され、「ホットスポット」との指摘が出ている千葉県柏市の私立幼稚園協会が、園庭などの除染費用について幼稚園が保護者に請求することを認める方針を決め、加盟する園に通知していたことが分かった。協会によると、一部の園で実際に請求を始めるところも出てきているという。
協会の説明によると、7月の臨時役員会で保護者への請求を認め、加盟する33園に通知した。周辺より放射線の線量の高い所を中心に、園庭の表土の除去や、側溝の清掃、砂場の入れ替えなど放射線の除染を実施した場合、「低減作業協力金」として園児1人あたり1万円を請求できるとした。協会は「保護者の強い要望を受けた」と説明。通知では「幼児をお預かりする幼稚園では小中学校よりも除染を徹底することが必要なことは明らか」としている。
保護者への要請文のひな型も協会が作成。かかった費用の内容について、保護者の求めがあった場合に示すことができるようにすることを園に求めている。請求するかしないかは各園の判断とされ、9月に入り、一部の園でこの文書を保護者に配り始めており、保護者から協会に問い合わせが寄せられているという。
柏市内の幼稚園では、6月に最高で毎時0.48マイクロシーベルト(地表50センチ)の放射線を観測した。各園では夏休みの間に除染を行ったが、重機を入れて作業した場合など、費用が数百万円に上る例もあるという。
市内の私立幼稚園の園長は「敷地が広いので、全部除染しようとしたら約700万円はかかる。これから先、どれくらい費用がかかるかもわからない」と話す。除染した土や砂の置き場所にも困っており、各園では袋に入れて園内に保管するなどしている。
国は8月、学校については毎時1マイクロシーベルト以上の校庭の表土を除去した場合に財政支援することを決めたが、基準を満たさない場合での除染については定めていない。
柏市は9月になり、私立の幼稚園や保育園に対し、最大20万円を補助することを決めたが、「とても足りない」(同協会)との声が出ている。
同協会の溜川(ためかわ)良次会長は「費用は膨大で個々ではまかないきれない。安全・安心のために協力を求めざるを得ない」という。東京電力への請求は「検討していなかった」としている。
市内の児童の保護者らでつくる「柏の子どもたちを放射能汚染から守る会」によると、保護者から「いきなり請求するのは手順がおかしい」などの疑問もあがっているという。同会の美土路優子代表は「負担の在り方や除染方法について保護者と園、行政が話し合う必要がある」と話す。(重政紀元、小松重則)
除染についてはたびたび書いていますが、除染作業をする人は危険に曝されます。
テレビで見ていると、ゴーグルもマスクもしないどころか、半袖で作業をしている人さえいます。
チェルノブイリでは50万人が除染作業に従事し、2万人が死亡、半数が後遺症によって通常の生活が行えなくなっています。
道義上の問題から、事故を起こした東電が支払うべきと言うのは当たり前です。
もう一点。
除染作業者に、作業終了後に異常が発生した場合、裁判になった場合、そんなことも想定していますか?
お金を支払うのが、市なのか、園なのか、保護者なのか、それとも東京電力なのか。
そこらへんのルール作りもしっかりとしてからではないと、お金を支払ったために被告となる可能性もあるということを念頭に置いた方が良いと思います。