埋め立て撤回要求へ 市に港運協会 住民団体も抗議文
2011年9月14日
この埋め立てに対して、横浜港で活動する物流会社などで組織する横浜港運協会は十三日、市に抗議し、撤回を求めることを明らかにした。
協会の担当者は「市からは根回しもなかった。これまで、放射能汚染された荷物を外国に出さないよう努力してきたのに、荷物を扱う近くで最終処分するのは許せない。努力が水の泡になる」と、訴えた。
また、住民グループも同日、市に抗議文を提出。短文投稿サイト「ツイッター」などで抗議活動の参加を呼びかけ、俳優の山本太郎さんら約八十人が集まった。
グループの共同代表の横浜市中区、主婦渡辺純さん(43)は「市は一方的に安全だと決め付けている。もっと話し合いの場を設定してほしい」と述べた。 (荒井六貴)
〔東京新聞〕
ゼオライトで浄化へ 南本牧処分場に埋め立ての焼却灰
2011年9月14日
放射性セシウムが検出された下水汚泥の焼却灰を、横浜港の南本牧廃棄物最終処分場(横浜市中区)に埋め立てるという横浜市の決定をめぐり、市は、放射性セシウムを吸着する鉱物ゼオライトを使った浄化装置を処分場に設置する方針を示した。二、三年は埋め立てを継続する見通しという。
十三日に開かれた市議会の委員会で明からになった。ゼオライトは、福島第一原発で、放射性セシウムが高濃度の汚染水を浄化するのに、利用されている。
委員会では、議員から「住民や港湾関係者は、放射性物質が漏れ出ることを心配している」と問われた市の大熊洋二資源循環局長は「ゼオライトは、福島で効果があった。放射性物質が出ないような対策を取っていく」と答えた。
処分場は、海を囲った方式で造られているため、焼却灰を入れると、水が排出される。排出水は円柱形(高さ約二・七メートル、直径二・四メートル)の浄化装置を通り、海に放出される。これまで浄化装置には活性炭が入れられていたが、十月上旬をめどに一部をゼオライトに変える計画だ。
また、焼却灰の放射性セシウム濃度が薄まる時期について、市の荻島尚之環境創造局長は「二、三年で落ち着いてくるのではないか」と指摘。焼却灰をセメントなどとして再利用できるのは二、三年後との見通しを示した。 (荒井六貴)
〔東京新聞〕
横浜市の焼却灰埋め立て問題の追加記事です。
>放射性セシウム濃度が薄まる時期
引っかかる書き方ですね。
東京新聞は、311以降は脱原発に寄り添った記事を書いてくれるので、これは市の表現なのでしょう。
薄まるわけじゃない。
セシウム134の半減期が約3年ということで、2・3年経てば「セシウム」の影響が半分になるということなだけ。
セシウム137はほとんどフレッシュな状態で放射線を出し続けています。
前にも書いたとおり、半減期が短い方が放射線の威力が大きいため、134と137の割合はほぼ1:1なのですが、約3年で「セシウム全体」で見れば半減するという意味でしかないのです。
それから、ゼオライトで吸着ということですが、吸着させたゼオライトはどうするつもりなのでしょう。
ふくいちでも汚染水に浄化にゼオライトを使っていますが、使い古された浄化装置の一時保管のために、敷地内にある広大な森が切り倒されたようで、そこに保管すると見られています。
安易に頼っても、さらに処理に困る汚染物が増えるだけのような気がするのですが…。