廃炉時期、耐性評価し判断=細野豪志環境・原発相インタビュー
-環境省は温室効果ガス削減のため、原発推進の立場だった。
かつては原子力に厳しい視線を向けてきた。今でもそのDNAは残っている。自然エネルギーや節電といった要因を踏まえ、2020年に(1990年比で)25%(温室ガス排出量を削減する)との目標は守っていくことが望ましい。
-福島第1原発事故で汚染された廃棄物や土壌の中間貯蔵については。
(廃棄物や土の)大きな移動を伴わない形で、福島県内に中間貯蔵施設(の設置)をお願いせざるを得ない。最終的には日本全体で福島の痛みを分かち合うべきだ。福島を最終処分場にしないという方針はできる限り貫きたい。
-原発内にあるがれきなどの中間貯蔵は。
福島第1原発内にも高(放射)線量のがれきが相当ある。簡単に持ち出せないので、その中である程度の処理を考えていかなければならない。
-年内に策定するがれき処理・除染に関する中長期方針に中間貯蔵や最終処分を盛り込むか。
別に考えた方がいい。期限を決める形での議論になるので、地元の理解が遠ざかりかねない。
-第1原発周辺の土地を買い取るか。
買い取り案を提示したことは一回もない。
-月内にも緊急時避難準備区域を解除できるか。
まあそうだ。
-野田佳彦首相は寿命を迎えた原発は廃炉にする考えだ。原発の寿命をどう定義するか。
40年が一つのラインになってくる可能性はある。ただ、年限で明確に切ることは必ずしも科学的ではない。危険性が高まってくるラインをどこに引くかは、発電所により状況が違う。ストレステスト(耐性評価)を課す中で、年限にこだわるのではなく、どこかに何らかの線を引くという考え方が望ましい。
-今月19日からの国際原子力機関(IAEA)総会に出席するか。
行きたいと思っている。(原発事故に関する)新しい報告書を出す準備はほぼ整っている。
(2011/09/04-20:43)
どうやら、この発言のあとに細野事務所には抗議が殺到したようで、ツイッター上ではメールが大量に送られたせいでサーバーが落ちた話もあるようです。(真偽不明)
最終処分場については、国が何度も交付金の値を上げたにもかかわらず、応募してくる地方自治体が無かったという厄介な問題です。
噂では、双葉町が若干色気を出していたという話もあったようですが、311の前にはともかく凍りついたままの問題でした。
>日本全体で福島の痛みを分かち合うべきだ。福島を最終処分場にしない
原発担当大臣がこんなことをいうのですから確かに不安。
政治というのは「人の情」の積み重ねで成り立っているものではあります。
しかし、放射能という問題は「厳然たる科学」の問題。
民主党の今までの政策には、この「科学」的な視野が薄く、どちらかというと「金勘定」が優先されているように感じます。
最終処分場問題ではそう思いませんが、民主党のやっていることは一億総被曝!としか言えない。
福島には申し訳ないですが、痛みを分かち合うよりも、安全な土地を残すことが大切なのではないのでしょうか?
中間貯蔵、福島第一原発を候補に 細野原発相が示唆
細野豪志原発相兼環境相は4日、報道各社のインタビューで、放射能に汚染されたがれきの中間貯蔵施設について「原発内に高い放射線量のがれきが相当あり、簡単に持ち出せない。中での処理をある程度考えなければならない」と述べ、東京電力福島第一原発の敷地内を候補地として検討する考えを示した。ただ「すべてを福島第一原発内で、というのも現実的ではない」とも語った。
政権幹部が中間貯蔵施設の候補地に公式に言及したのは初めて。菅前政権は最終処分地を福島県外にする方針を打ち出す一方、菅直人前首相が県内に中間貯蔵施設を造らざるをえないとの見通しを示していた。
細野氏はインタビューで「福島を最終処分場にしない」と明言。中間貯蔵施設を福島第一原発内に造ることを検討する考えを示した一方、除染などによって県内で発生した放射性廃棄物を原発内だけで受け入れることは難しいとの認識を示した。「当面は各市町村の仮置き場に置かざるを得ない」と説明し、地元自治体と協議して慎重に場所を検討する考えを示した。