東日本大震災:福島第1原発事故 1号機建屋上空の放射性セシウム濃度公表
東京電力は12日、福島第1原発1号機の原子炉建屋上空の放射性物質を分析したところ、放射性セシウム134、同137の濃度が1立方センチ当たり10万分の1~1万分の1ベクレル程度だったと公表した。放射線業務従事者が呼吸する空気の濃度限度の100分の1程度だった。
また、ヨウ素は検出限界値未満だった。【大野友嘉子】
毎日新聞 2011年9月13日 東京朝刊
これはミスリードを誘う記事ですね。
原発で仕事をしていたという方のこのようなツイートがあります。
fukusima08/29 19:20
原子力発電所で放射線管理員として20年働きましたがセシウムと直接出会ったことはありません。現場にあるのはコバルトとマンガンくらいなものです。セシウム・ヨウ素は出してはいけない。それが原子力利用の基本哲学なんです。それなのにあるのが当たり前のような基準に腹が立つ。
>放射線業務従事者が呼吸する
などと書かれてしまうと、さも原発の作業員は当たり前にセシウムを吸っているかのように読み取れるのですが、出てはいけないものなのです。
>ヨウ素は検出限界値未満
この文もイヤらしい。
同じく、出るべきではないものが微量とはいえ出ている。
しかも、ヨウ素が出るということは、核分裂反応が続いているということ。
とくに、ヨウ素は半減期が8日ということで、最近軽く見られがちですが、半減期が短いということは、その期間に大量に放射線を放出するという意味でもあります。
ですから、注意をする期間は短くて済みますが、その期間は本当にしっかりと避けなければならないのです。
それが慢性的に放出されているのは厳しい。
楽観的な記事ですが、状況は厳しいことを物語っています。