結局原発15基分の電力が余った!
<エアコン我慢して死んだ人どうなるんだ>
就任したばかりの鉢呂吉雄経産相が5日の会見で、今冬の「電力使用制限令」を出さない意向を示した。
早々と制限令を出さなくても計画停電の事態に陥る懸念はないと強調したのだが、そりゃあそうだろう。今夏の制限令だって本当に必要だったのか、極めて怪しいからだ。
東電によると、9月直近の需要見通しは4080万キロワットで、供給力は5510万キロワット。つまり、電力は1500万キロワットも余っているのである。
「原発の発電量が1基平均約100万キロワットとして、現在は原発15基分の電力が余っている計算です。日本にある全原発54基のうち、現在、稼働しているのは11基だから、余力の電力量に相当する。原発ゼロでも全く問題がないことが証明されたのです」(原発問題に取り組む「たんぽぽ舎」の柳田真・共同代表)
そもそも電力は夏場に1000万キロワットも「足りない」はずだった。東電の「7月末の供給電力は4650万キロワット」という数字をメディアがうのみにし、「東電、夏の電力不足必至…供給最大で5千万キロワット」(読売新聞、3月24日)などと報じたからだ。そのため街路灯は消え、駅など公共施設のエレベーターはストップし、通勤電車内は蒸し風呂状態になった。ヒドイことにエアコンを止めて熱中症で死んだ人も10人や20人じゃなかった。しかし、東電の供給力は7月には「5720万キロワット」に増え、あっさりと今夏の“想定”最大需要(5500万キロワット)を上回ったのだ。本来なら政府はこの時点で制限令解除してもいいのに、電力が大量にダブつき始めた途端、慌てて解除するありさまだから呆れる。
前出の柳田共同代表がこう言う。
「東電はもともと供給力を恣意的に少なく見せていたとみています。供給力不足=原発が必要というロジックです。しかし、電力が余り過ぎた。東電にとって1000万キロワットも余る状況は大損でしょう。本当は『電気をどんどん使って』と思っているのだろうが、それは絶対に言えない。電力制限の前倒し解除は国民に対して『節電やめて』という本音の裏返しなのです」
どこまでも困った会社と、それに踊らされているマスコミである。
(日刊ゲンダイ2011年9月6日掲載)
8月の原発稼働率26・4% 過去最低
日本原子力産業協会は9日までに、8月の国内の商業用原発54基の設備利用率(稼働率)は26・4%との調査結果をまとめた。電気事業連合会が記録している1977年4月以降の稼働率で最低は30・3%(77年4月)。8月は過去最低とみられる。
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の影響で原発の停止が長期化し、再稼働する原発はなかった。新たに北海道電力泊原発2号機、東電柏崎刈羽原発1、7号機(新潟県)が定期検査に入った。
稼働率は3月が58・3%、4月が50・9%、5月が40・9%、6月が36・8%、7月が33・9%と下がり続けている。
2011/09/09 18:26 【共同通信】
稼働率がどんどんと下がっているのを見るのは楽しいですね。
本当に足りないのか足りているのかは、東電と経産省しか知らないことではありますが、ここで民主党が掲げていた「政治主導」の出番ではないだろうか?
別に「政治主導」などと掲げなくても、国会議員全てに「国政調査権」が与えられている。
自民党はアテにならないけれど、与党野党共々とことん調べて議論を尽くすべきではないだろうか?
それが出来るのが国会議員だろう。