放射線を測定 柏に「ベクミル」オープン
2011.10.11 22:14
東京電力福島第1原発事故の影響で、放射線量が比較的高いとされる千葉県柏市に11日、一般利用者が持ち込んだ食品などの線量を測定できる施設「ベクミル」がオープンした。運営するソフトウエア開発会社経営の高松素弘さん(47)は、「気軽に測定して安心につなげてほしい」と話している。
ベクミルでは、スタッフから説明を受けながら利用者が機器を操作して、数値を確認する仕組み。野菜や果物のほか、水などの液体、土の線量も測ることができる。計測時間は15分程度で、その場で数値が分かる。
オープン初日のこの日、流山市の主婦、阿木博子さんは、家庭菜園で使っていた自宅の井戸水を持ち込んだ。原発事故以来、使用は控えていたが測定結果は「不検出」だった。阿木さんは、「安心しました。これでまた家庭菜園ができます」とホッとした様子。「手頃な値段で気軽に測れるので、小さな子供がいる人にも紹介しようと思います」と話していた。
ベクミルを運営する高松さんは、9歳と4歳の娘の父親でもあり、食の不安を訴える保護者らの声に応えて、7月から準備を進めてきた。放射線を出す能力の強さを示す単位「ベクレル」を「見る」ことで、目に見えない放射線への不安を和らげたいと考えて施設名をつけたという。
1キロあたり10ベクレルまで検出できる機器が2台、同20ベクレルまでが4台設置されている。入会金・年会費500円で、使用料は10ベクレルの機器が20分3980円、20ベクレルが20分980円。予約制で木、日曜日が定休。
問い合わせは、ベクミル(柏市中央1の2の25矢羽根ビル2階)(電)04・7189・7416。