妻を、車で駅に送り届けてきた。
面接を受けるたびに、「高学歴高職歴」といわれ、そんな意識をまったく持っていなかった妻はそうとうしょげていたけれども、ある意味望どおりにただの事務員の仕事に就けた。
日本には教育者はたくさんいるけれども、私は勝手に妻は10指に入る高いスペックをもった教育者だと思っている。
天賦の才をもっている。
私は並よりは上の教師だとは思っているけれども、妻の天賦の才にはとうてい敵わない。
自分をさらけ出して子供にも親にもぶつかっていき、たくさんの子供と親を笑顔にして、一緒にないてきた。
何人もの心中を図ろうとした親子を食い止めてきた。
自分の心の傷の深さゆえに、20数年間に渡って、関わった人たちが傷つくことから守るために自分がその傷を負ってきた。
ナウシカのような妻だったけど、手術で力尽きたみたい…。
妻の居場所は子供の前しかないと思うのだけれども、人と関わることの少ない、何をやるのかもわからない事務職に就いた。
どうせ、また全力で働いちゃうんだろうに。(笑)