間もなくシーズンも終了しますが、3月中旬からが主な滑走となる私にとっては、その3月中旬あたりから黄砂による滑走感の悪さには頭を悩ましています。
しかし、黄砂だけなんでしょうか?
ここ数年、黄砂が増えていることに対しては否定するつもりはありません。
黄砂が滑走感を悪くすることも否定しません。
話は少しそれますが、日本という国は古くから官僚制度の整った国です。
朝廷の下級役人たちがコツコツと書き続けた文献が多数見られます。
官僚制度は江戸時代には日本各地に行き渡り、地方の歴史は藩の記録として残されています。
それらの文献の中に「紅雪」という記述が見られます。
古い文献には、怪現象として「紅雪」が記録されているくらいなので、当時の人たちにはよく見かける不可解な現象だったのでしょう。
どんどんそれちゃいますが、和歌の「春霞」という言葉も黄砂でかすむ景色をうたったようです。
そう考えれば、万葉集の編纂された奈良時代から黄砂は飛来していたわけです。
紅雪」に戻しますが、これは山が赤や桜色に染まる現象を指すようですが、もちろん時期的に見て黄砂が引き起こしたもののようです。
そこでちょっと考えてしまうのが「黄雪」ではなく「紅雪」なのです。(「黄雪」などの記述もあり)
実際、近年でもたびたび「紅雪」の現象が起こっているのですが、「紅雪」と言う表現から黄砂の量は近代まで多かった、むしろ、今よりも多かったともと推測できるらしい。
第2次世界大戦終了後に、中国国内で用水路等の灌漑施設が整ったために一時的に黄砂の量が減っていただけのようなのです。(今は工業化により農業用水が減って農地が荒れている)
ご存じの通り明治時代末から日本にスキーが導入されたわけですが、黄砂「だけ」が原因ならこの頃から問題になっているのではないでしょうか?
長い前置きになってしまいましたが、スキーの滑走感が悪くなる原因には黄砂に加えて、日本はもちろん、最近の中国の急激な工業化が引き起こす大気の汚れによるものではないかと思っています。
みなさんも、薄々感じているのではないかと思います。
ここらヘンを学者さんが調べてくれると助かるのですが…。
そのように考えるようになった理由があります。
クリーニングワックスをすると、ワックスペーパーに黄色い汚れのときと黒いドロドロとした汚れのときがあります。
黄色い汚れの日は極端に滑走感が悪くなる気はしないのですが、黒いドロドロとした汚れのときにはつんのめりそうになりながら滑ってますね。
途中でブラッシングをすると、真っ黒な飛沫が雪を汚しています。
そして、春のスキーは午後1時前後くらいになると極端に滑走感が落ちること。
ある一定の雪温上昇から極端に滑走に影響を及ぼすのは、黄砂ではないように思うのです。
レポの最中でも「黄砂で滑らない」的なことを書いていますが、ほとんどが化学物質が原因だと思っています。
あくまで想像の域なんですが…。
黄砂が飛来して雪の上に乗っているときと、飛来した黄砂がコアになって雪を作っているときを分けて考えなければなりませんが、飛来して雪の上に積もっているときは板を硬く仕上げておけば、ほぼ不満なく滑走できているように思います。
滑らないのは、ときどき遭遇する黄砂がコアになっている(と思われる)雪と、私が空気の汚れを起こしている化学物質が原因ではないかと疑っている午後1時前後のときなのです。
私が求めるワックスは、①滑ること ②安いこと ③長持ちすること ④遠征中にリカバリーしやすいこと を考えています。
それ故に、今まで書いてきたような方法に落ち着いたわけです。
そして、今回のテーマである化学物質に対しては、当たり前ですがとりあえずフッ素。
汚れを寄せ付けない効果が期待できます。
そして、遠征後半はリムーバーが含まれるスプレーやペーストを使ってキチンと汚れを落とすこと。
板が硬く仕上がっていればある程度寄せ付けないし、簡単に落ちるのですが限界もあります。
せっかく作ったベースに使うのは悔しいですが、物理的に対抗するしかありません。
覚悟を決めてしまえば、滑走感が悪くなったときようにカバンの中にスプレーとノットを入れておけばリカバーも簡単です。
万が一の場合でも、TOKOやホルメンはゲレンデの売店で売っていることが多いので、入手も楽ですし。
そういえば、ナノをあきらめた理由に、遠征中に計算間違いで足りなくなってしまい、痛い目にあったというのもあるのです。(ナノの上にパラが乗らない)
手に入れやすいと言うのも、私のようなスキーをするものには重要なことになるのです。
いろいろと話が飛んでしまいましたが、スプレーやペーストを使うのは遠征の4日目くらいから。
1日・2日の滑走なら、今試している自家製テフロンブレンドでかなり保ちそうな手応えを感じています。
カバンに馬毛のブラシとノットを入れておけば充分でしょう。(不安ならスプレーワックスも)
面倒くさい人は、滑ったあとに軽くブラッシングをしておけば翌日もノットを塗るくらいで済むのではと考えています。
とりあえず、前回と同じ塗り方をして今週末も滑ってみる予定です。