「ベースワックス」と「滑走ワックス」の違いについての質問がありました。
改めて聞かれてしまうと、怯んでしまいますね。(笑)
基本的にワックスはパラフィンで作られています。
私が文章中に書いている「純パラ」=「ベースワックス」と思ってください。
決してパラフィンは定着性の優れているものではないのですが、定着性がマシで滑走性もマシ。
定着性がマシということは、剥がすことも容易。
また、滑らせたり滑らせなくしたりという幅が作りやすいという点もあり、パラフィンが使われているのではないかと思っています。
(過去にビギナーを滑る板に乗せてしまって可哀想なことをしたことがあり、滑らないということも必要なのだと思うのです。)
この純パラに、シリコンやフッ素やグラファイト・モリブデンなど、滑りを良くする物質を混ぜたものが「滑走ワックス」ということになります。
残念ながら、パラフィンに混ぜものをすると定着が弱くなるようです。
混ぜものをするために、値段も上がります。
ワックスは、「滑るため」という面もありますが、「滑走面の保護」という面もあります。
滑走ワックスは、定着が弱いという意味で滑走面の保護には少し向いていないでしょう。
ワックスが剥がれてケバが出てきてしまえば滑走性を大きく阻害しますから、結果として滑らないので高いお金を出しても本末転倒です。
「滑走」という言葉に対しての「ベース」となっていますから、まるでベースワックスだけでは滑らない印象を与えてしまいますが、ベースワックスだけでも充分滑ります。
何度も書いていますが、しっかりとワックスを入れて、しっかりとブラッシングをしてケバを寝かせることの方が、高い素材の含まれたワックスをかけるよりも大切なことだと言えるでしょう。
ベースワックスは、そのまま滑走ワックスとして滑っても良いですし、滑走面と滑走ワックスをつなぐものとして使うと考えても良いでしょう。
3月中旬くらいから、季節風の影響で黄砂が風に乗ってやってきます。
黄砂の季節になってくると、パラフィンだけではなくフッ素などの含まれたワックスの方が滑走感が得られますが、レジャースキーヤーやボーダーなら、それまでベースのみでも充分。
無理に高額のワックスを使わなくて良いと思います。
「滑走ワックス」は、競技をやる人や今の滑走感では満足できない人が使うものと思えばよいのではないでしょうか。