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「クラフティワックス研究所 別館」
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蔵王でのワックスにこだわる訳のご質問を受けました。
過去に何度か書いたこともあって重複することも多いと思いますが、改めて書いてみます。
私がワックスに興味を持った原点が蔵王なんです。
理由は2つ。
1つはヘボだったので漕ぐのがイヤだったこと。
2つ目は、滑っているうちに蔵王の雪の特殊性に気がついたこと。
樹氷原コースや大平コースを滑っていると、いつも決まった辺りで木についている雪の付き方が変わる場所があるのです。
もちろん、滑走感も変わります。
そうして、だんだんとゲレンデによっても雪質が異なることも分かってきました。
吹雪の日など、蔵王の強酸泉のせいで顔が腫れ上がるときがあります。
顔に無数の小さな切り傷がいっぱい付いているためなのですが、蔵王の吹雪には、皮膚を切り裂く雪が降るときがあることも分かりました。
当時は、年に7~10日ほど北海道にも行ったり、気象が厳しい安比にも4・5日滞在したりもしていましたが、皮膚を切り裂く雪には蔵王以外には出会ったことがありません。
蔵王は、普通に「新雪」などといっても、雪の結晶がそのまま降ってくることなどはザラですし、空気中の水分がパリパリに凍ってトップシーズンは常に斜面に補給されています。
上の写真ですが、壁や温度計・スピーカーに付着しているのは、この空気中の水分が凍ったものです。
ゴンドラ降り場での写真ですが、一応は壁に囲まれた場所でコレなのです。
トップシーズンの蔵王は、ありとあらゆるものがこの白いツブツブに覆われていきます。
たぶん、皮膚を切り裂く雪の正体はこの氷ではないかと思っています。
風に乗ってカッターの刃が飛んでくるようなものです。
こんなものがばらまかれている雪の中を滑っていれば、ワックスなんか保つわけがありませんね。
そんな状況は、おもに中央・パラダイス・ユートピア・ダイヤモンドよりも上の辺りで起こっています。
昼を過ぎれば気温も下がってきて、踏むたびにギュッギュッと乾いた気持ち良い音を立ててくれるのですが、ワックスは確実に消耗させられます。
コタンやザンゲ坂にも降ることには降るのですが、共に強風で飛ばされてしまいここはアイスバーン率が高いですし、仮に新雪に恵まれても、その下にはアイスバーンが潜んでいる、これまた難しい斜面。
大森や竜山のように、標高が低かったり、南斜面のために、すぐ雪が緩むところもありますし、黒姫などは3月くらいで暖かい陽気になると水が浮くところもあります。
ゲレンデ単位で書いていますが、コース一つ一つで細かく見ていくともっとたくさん、アイスバーンが出やすいとか、水が浮くとか、雪質が変わるなんてところがいっぱいあるのが蔵王なのです。
そんな蔵王のすべてを快適に手間も掛けずに、しかも安く滑りたい。
というのが、自家製テフロンブレンドに至る気持ちの1つだったりします。(もう一つの目的が連戦を乗り切るベース)
今はすのぼちゃんとの友情もあってクラフティを試していますが、2年単位ずつくらいでナノワックスやノットワックスなどを中心に同じようなことを繰り返しています。
最終的な希望は、
途中で塗るのもイヤだ(マジ)
と思っています。
クラフティが蔵王専用ワックスを販売する意図は知りませんが、ワックスの質を向上させるという点では良いところに目をつけたのではないかと思います。
蔵王で滑るなら、たいていのところでは滑る
と期待しています。
しかし、蔵王スペシャル単体で全域を滑れるということは、特定の条件での超最良の条件を少しあきらめるということじゃないかとも思っています。
例えば、関東周辺のゲレンデなどでは蔵王スペシャルよりも、人工雪やザラメ雪に強い(という感触がある)ZBシリーズを選んだ方がベストチョイスになる気がします。
面倒くさがりの人は、蔵王スペシャルのみという手もあるのでしょうが。(笑)
まだまだ課題だらけですが、今後の課題として、これから先の雪でZDの実力を見極めたいです。
むかし書いたことですが、中国では急速に近代化が進んでいるため、砂漠化が広がっているためにシーズンを通して黄砂がやって来ています。
おそらく、正月の蔵王で滑りが今ひとつだったのは、新雪のコアが黄砂だったんじゃないかと推測しています。
クラフティのラインナップの強みは、その日滑ってみて合わないようならチャチャッと上から塗ってしまってリカバリー出来ることでしょう。
春の最終兵器としてZD・ZEがなってくれると、手放せないかもしれませんね。