最近、これほどまでに大急ぎで「フラグが立つ」というのは見ていなかったかもしれないですね。
また古い大河で申し訳ないんですが、「草燃える」に小松方正演じる上総介広常という御家人が出てきます。
石橋山の合戦で敗れた源頼朝は千葉に逃げ、そこから軍勢を整えて鎌倉に向かうわけですが、そのときに上総介広常が駆け付けたことによって、関東での武家の独立を勝ち取ることができたというキーマンです。
鎌倉入りした頼朝は「御所様」と呼ばれるのですが、広常だけは官職の「武衛」と呼び捨てにし続けるのです。
改めて見てみて、ずいぶんと存在感があったように思っていたのですが、登場時間はわずかしかないんですね。
しかし、小松方正の演技と「ブエ、ブエ」という言葉だけで、あっという間にキャラ付けをしてしまいました。
小松方正よりも難しい演技を要求されていたとは思いますが、ついにキャラの定まることなく退場となるのかと思うと、「どうでしょう」ファンとしても無念でなりません。
切れ者の洋ちゃんはいいんですよ。
ただ、私は細かいのかもしれませんが、見ていて「なんで船の目利きができるの…」って思っちゃって、妙にしらけてしまいました。
だって、車や家電を買うときとかを考えてみて下さいよ。
「比べる」でしょ?
「知る」ことを怠らないでしょ?
カステラを作っているヒマがあったら、CGでいいから長次郎と誰かが長崎の港で蒸気船を見る場面とかをちょこっと入れといてくれるだけで納得できるのに、あの突然切れ者の長次郎はなんとも。
頭の中で、「龍馬伝の長次郎は物知りなんだ」とあとからムリヤリ納得させられるのが多くて、ちょっと疲れます。
今回は、史実半分創作半分で、ストーリー的には面白かったです。
海外留学の経験のある、長州の伊藤や井上との交わりによって海外を志すというのは悪くなかったと思います。
でも、来週切腹かと思うと、もう少し膨らませられなかったのかと。
あと、海軍操練所で亀弥太や陽之助との絡みで「町人」と蔑まれていた場面があったり、同じく操練所時代に長次郎だけが家事をやっていたりしていたのも、留学を志す切っ掛けになるのだと思っていたのですが…。
あいだが開きすぎて、脚本家さんは忘れてしまったんでしょうか?
あとねぇ。
スーパー芸子お元の隠れキリシタン&隠密設定もなんか入り込めないなぁ。
もう一つ。
いつも着流しの高杉晋作。
とりあえず、三味線はどっかに置いてくれたので良かったけど、入り込めないなぁ。