「霧島のショボい」「霧島のハリボテ」「霧島の…」
途中で時計を見てしまいました。
途中で携帯を弄ってしまいました。
かなり気力を失っているのですが、とりあえず家に戻ってから2回見ましたので感想を。
素朴な疑問なんですが、霧島山は女人禁制だったの?(どなたか教えてください)
そもそも江戸期にはレジャーとしての登山などは行われていない時代ですし、女性は不浄のものとされていたので神域へ踏み込むことは極力避けられていたと思います。
しかし、霧島山に高野山のような厳しい禁制が行われているとも思えないのですが。
仮に女人禁制だったとしても、龍馬ものでお龍の男装登山というのは初めて見た気がします。
制作側にそういう意図があったなら構わないのですが、今回の「第2次長州征伐」と「ワイルウェフ号の遭難」の次々の不幸は、「天之逆鉾」を引っこ抜いたのとお龍の登山の祟りにしか見えませんでした。(苦笑)
女人禁制を破る男装登山というのは、余計な設定だったと思いますね。
正しいことは不明なのですが、「天之逆鉾」は一説によると島津義久公が鋳造させたそうです。
また異説では、名も無き行者が霧島山の権威を高めるために設置したとも。
どちらにしても中世の頃の設置のようです。(噴火してるし)
「天之逆鉾」を引き抜いたエピソードは、龍馬が姉の乙女に送っている手紙などからも事実なのでしょう。
ただ、お龍と一緒に引き抜いているんですね。
あんな、間抜けに1人で「ウガー」とか言って抜いてるワケじゃない。
龍馬が、島津義久説や行者説を知っていたかは分かりませんが、鉾の天狗に見える顔などから「瓊瓊杵尊(ニギギノミコト)」が刺したものではないと見抜いたという「坂本龍馬の合理的な思想」を物語るエピソードで良かったんじゃないかなぁ。
1人で抜いて決意表明をするのはやり過ぎ。
司馬遼太郎の竜馬からは離れたいのは良しとしても、「事実からうかがえる」龍馬の人格まで壊してしまったら、坂本龍馬は記号でしかないでしょ。
「ニギギノミコトの神話を信じる龍馬」「抜いて差し戻すことによっての神秘的な力に期待する龍馬」「そのくせして女人禁制は破る龍馬」・・・。
それから、「天之逆鉾」を引き抜いての決意表明を第3部の最後の見せ場にしたいなら、あの見るからに軽そうなハリボテはどうなんでしょう。
音楽をならしているヒマがあるなら、せめて金属と岩が擦れるような効果音を入れるとかでフォローして欲しいです。
余計なことと言えば、池内蔵太のお元への告白も余計でしたね。
最後の簪の仕込みの十字架は驚きましたよ。
でも「愛」とか「恋」とかじゃないとダメなんですか?
べつに「友情」とかでもアリでしょ。
海辺のお元の場面なんか、内蔵太の告白が有っても無くっても大差ないでしょ。
そもそも、龍馬と内蔵太や亀山社中の皆さんと内蔵太の関係さえほとんど描けていない(それ以前にいまだに亀山社中の面々がキャラ立ちしてない)のですから、内蔵太とお元の関係なんて描けるわけがないのですが、あまりにもチープ。
同じことの繰り返しばかりでチープ。
「ワイルウェフ号の遭難」は事実なのでやってもらいたいものではありましたが、内蔵太が去ったこの現状を見ると「ワイルウェフ号も内蔵太も要らなかった」んじゃないでしょうか。
桐谷くんは最近注目している役者さんですし、内蔵太が画面に出ると賑やかだったんで好きだったんですが、本当に「余計だった」って感想しか浮かんでこないです。
残念。
いよいよ第2次長州征伐へ突入するわけですが、ワケ分からん。
おそらく、脚本家と演出家とプロデューサーの中で、第2次長州征伐へ至る道のりのイメージが出来ていなかったんじゃないでしょうか。
勉強不足ですし、イメージ不足、意志統一不足。
本人たちがイメージできていないものをムリヤリ映像にしたところで、見せられる側にとっては理解できるわけがない。
それに尽きます。
だから、薩摩不戦の理由を「薩摩軍を出すときは江戸城を落とすとき」とか言わせちゃったりする。
そりゃ、第2次長州征伐で長州が勝ち、最終的には薩長軍を中心に江戸城を無血開城させるわけですが、それは歴史を学んだものの視点。
第2次長州征伐が始まった時点では、幕府が10万人以上の大軍勢を動員できたのは事実で、それに対して長州軍は数千人。
軍事というのは科学と同じで、事実の積み重ねから作戦が導き出されるものでしょう。
そういう意味では、いくら兵器の差があるとはいえ10万人vs数千人という事実の前には、長州の勝利という結論を持っている人はいなかったでしょう。
薩摩が長州のための軍事行動が起こせなかったのは「長州が朝敵だったから」で済むんじゃないですか?
それで苦しむ西郷を思っての亀山社中出兵の方が、歴史の表舞台から降ろされると脅されたから出兵(そうとしか思えなかった)よりも良かったんじゃないかと思います。
戦争反対の亀山社中にもガッカリしましたが…。(苦笑)
武士の集団なら武士の集団としての矜恃を、商人の集団となったのなら商人の集団としてのしたたかさを出す方法などいくらでもあったんじゃないでしょうか?
なんでも「龍馬に言われたから・・・」じゃ、亀山幼稚園だって。
最後に「想望」。
だんだん去年の大河化してきてウザくなってきた。
説得の時に「天地人のテーマ」→納得。
説得の時に「想望」→納得。
なんか、NHK内にそんなテンプレでもあるんですかね。
なんか、自分の持っている坂本龍馬のイメージをベタベタと汚されている気分になってきました。
だいぶ弱ってます。
なんか、龍馬の歴史をたどっている龍馬と似た人の物語って感じがしてきました。
よかったところ?
霧島山かな。