また来週は龍馬がソウルメイト(笑)の高杉晋作を看取るみたいで、ガックリするんでしょうか・・・。
とんでもないことをやらかす回でも、予告で免疫をつけられているせいか、放送当日には意外とダメージが少なかったりするのですが、今回は「龍馬の大芝居」パターンになりそうな予感があります。
黄金の日日の「助左」じゃないんだから。
ドコにでも顔を出すのは勘弁。
一歩譲って、まだ去年のカネツグみたいな、中途半端に知られているマイナー武将だったらまだマシかもしれませんが、坂本龍馬という、成長してからほとんどの足取りがはっきりしている人物を使ってってのは、ドラマに入り込めない。
まっ、長い年表になっちゃうんですが、龍馬の足取りを追ったものをまとめてみました。
慶応2年(1866年)
1月 1日 三吉慎蔵と出会う
10日 三吉慎蔵と船で京都に出立
14日 近藤長次郎切腹
16日 神戸で宿泊
17日 池内蔵太・新宮馬之助らと合流して大阪
18日 大阪薩摩藩邸に立ち寄り、薩摩船を借りる
同日 大久保一翁と面談(身辺の危険を通告される)
19日 薩摩藩士としての通行手形を交付
同日 ピストル・手槍などを購入
同日 淀川を上がり、伏見寺田屋に宿泊
同日 熱を出す
20日 池内蔵太・新宮馬之助らと共に京都薩摩藩邸
同日 西郷吉之助・木戸貫治に面会を求める(薩長同盟が締結されていない)
同日 池内蔵太の家族に手紙を書く
21日 薩長同盟成立
同日 薩長同盟成立を三吉慎蔵に伝える
同日 伏見奉行所が寺田屋周辺を探索
22日 木戸貫治の送別会(小松帯刀・西郷吉之助らと出席)
同日 伏見奉行所が寺田屋周辺を探索
23日 伏見寺田屋に戻る
24日 寺田屋で遭難(伏見薩摩藩邸にかくまわれる)
25日 伏見奉行所、龍馬らが伏見寺田屋に残した遺留品を押収
30日 京都の薩摩藩邸に移る(三吉慎蔵・お龍らと共に)
2月5日 木戸貫治からの手紙に薩長同盟の裏書き
某日 中岡慎太郎の訪問をうける(中岡慎太郎or西郷吉之助が仲人となってお龍と結婚)
29日 三吉慎蔵・お龍らと伏見に下る
3月1日 伏見から大阪へ下る
5日 大阪出立
6日 下関へ寄港し、中岡慎太郎・三吉慎蔵が下船
8日 長崎に戻り、近藤長次郎の墓参り
10日 鹿児島へ到着
16日 お龍と日当山温泉に向かう
17日 塩浸温泉
28日 塩浸温泉での湯治中の小松帯刀を見舞う
同日 霧島山を登山し、霧島温泉に宿泊
29日 霧島山山頂に遊び、霧島神社に宿泊
長い年表になりました。
テレビ的な都合で「侍、長次郎」と「薩長同盟ぜよ」に分けられてしまっていますが、実は長次郎切腹から龍馬の墓参りまでは同時進行だったんです。
「醒めちゃうなぁ」と思うのが、史実では1月14日に長次郎は切腹をしていて、薩長同盟を成し遂げ、寺田屋の遭難を経て、龍馬は3月8日のほとんど2ヶ月後に墓参りをしているのです。
龍馬伝的な流れを追うと、
長次郎と下関で別れる
↓
長次郎切腹
↓
陸奥が龍馬に連絡
↓
下関で龍馬が連絡を受ける
↓
龍馬が長崎に移動(長次郎の遺体と対面)
となるわけですが、緑色の部分を見てもらえば分かるとおり、下関や大阪・神戸2日~4日はかかるわけです。
龍馬伝的にも・・・長次郎腐ってんだろ。(爆)
墓に手を合わせるよりも、本人に手を合わせる方が「テレビ的」に分かりやすいということなんでしょうが、いつまでもツヤツヤした遺体なんて「必殺」や「暴れん坊将軍」とかだってしないって。
去年のカネツグは山形新幹線&東海道新幹線で上京していましたが、今年の龍馬は「どこでもドア」を持っている。(苦笑)
新しく盛られた土や新しい卒塔婆に、長崎と下関と京都の距離感が出るわけで、生涯を駆けずり回った龍馬を演出できて良かったんじゃないでしょうか?
お墓に手を合わせた方が、長次郎も一役買っていた薩長同盟成立の報告できて、よっぽど良かったと思います。
ま、そこらへんは脚本・演出・編集などの考えがあってのことなのでしょう。
しかし、現実の龍馬は、古い友人の死よりも薩長同盟を優先させる、龍馬伝の龍馬のような甘っちょろい男では無いということです。
龍馬伝が、現在ゴチャゴチャの様相を示している諸悪の根源は「テレビ的」を優先した「龍馬の大芝居」にあると思います。
アレを入れることによって、薩摩との繋がりもスルー、大政奉還は木戸貫治に教えてもらう始末。(なんで横井小楠を出したのか分からん)
薩長同盟も、ひょいっと出かけていって立ち会ったわけで、あんな苦難の道を乗り越えたような大仰じゃない。
後藤を騙した件については清風亭で無かったことになってるし、いろいろなことがねじ曲がり、筋が通らなくなってきています。
辻褄が合わなくなったことを、さらに「テレビ的」優先で誤魔化そうとするから、逆鉾とか三味線とか刀だらけになっていく。
どこが「骨太大河」よ?
あんまり放送前に憶測でいろいろ言いたくはないけど、先週から龍馬の唱える大政奉還を根拠もなく信じる高杉晋作にも違和感ありまくりだし。
実在の人物を描くのなら、その人の思考なりを尊重して欲しいし、それができないのなら低杉新作とか、名前を変えろ!
タイトルも「坂友くんと愉快な仲間たち」とかで、大河の別枠でやってくれ!
もはや「骨抜き大河」!