今回見て、前回から感じていたことが確信できました。
この大河は水っぽい。
女性主役とはいえ、登場する女性陣はともかく、男たちの性格の根底もジトジトしているようで「これが戦国か?」と思うと見てられない。
やっぱり、宮尾登美子先生のしっかりとした原作があるものと比べると、所詮は底が浅いように思います。
信長と言われれば、今まで培われた信長という記号、秀吉や家康と言えば、今まで刷り込まれた記号が私たちの中にあるわけです。
ですから、トヨエツや岸谷や欣也さまが信長・秀吉・家康という看板を背負って演じていれば、それはそれなりに見られるものなのですが、どうも喋らせてしまうとタブチの背後霊が喋らせているように感じてならない。
保奈美お市や、りえ茶々なども、明らかにタブチの背後霊が取り憑いて平和ボケしたことを言ってましたね。
言ってしまえば、戦国時代を描きたいわけではなく、自分の描きたいものを戦国時代に当てはめているだけです。
別に時代が室町でも鎌倉でも良さそうですし、近江じゃなくても良さそうです。
ですから、時代背景なんかよりも、自分の主張が優先されちゃう。
うざったいほどの女性至上主義。
だから、お市が「女は生きるのがたいへん」とか言って信長が黙っちゃう。
仕事人間の夫と専業主婦の会話みたいでひたすら不毛な会話を堂々とやってしまって、しかも信長が引いちゃう。
これでどこの層が喜ぶんでしょうかね?
何が不満って、男が自分の命を掛けて家名や家族の存続を守るために戦った結果なのに、登場人物の全てが織田と浅井の戦を心の奥底にジトジトと溜め込んでいること。
オープニングと第2回目という初々しさでオブラートにくるまれていますが、腐った沼のように感じます。
さて登場人物ですが、今回は浅井三姉妹役の三人には可哀想すぎる設定でしたね。
茶々で10歳、江は6歳を演じるわけですから、無茶すぎ。
そして、その年齢設定の割には難しいことを言わせすぎている気がします。
茶々なんか毎回小刀を振り回してますし。(笑)
演出している方も、見た目と年齢設定の差がグチャグチャなんでしょう。
三姉妹については、演じさせている方に無理があるので、今回は保留。
2回目にして、保奈美お市はどうも苦手です。
前回の娘役よりは、母役になって落ち着いたとは思いますが、鈴木保奈美の根っこの部分のジトッとしたところがどうもお市の絶世の美女感とは違う気がします。
大地勝家もちょっと作り物感が・・・。
柴田勝家という織田家を代表する猛将でありながら、信長が最後まで重用し続けたというのは、才覚もあったのでしょう。
大地勝家には、将来的なお市の夫であり、三姉妹の義父という立場しか求められていないように思います。
気になると言えば、家臣がほとんどモブなので早くも秀吉と家康と江が絡んでいますが、あれは将来的にはどのように決着をつけるのか。
時間短縮で将来につなげられてはいると思うんですけど、お手軽ですね。
まあ、今回は江が信長の魂を継承するという回なのでしょう。
「存分に生きる」
篤姫が調所広郷から「己の職務を果たす」という大義名分を得たのの焼き直しですね。
信長の魂という、この大義名分さえ頂けば、あとは江のやりたい放題となるわけですし。
まあ、まだ江の世界観には慣れません。
辛い辛い。