上野樹里は悪くない!
私は、この人のドラマは見た記憶がないのでとくに思い入れもないのですが、江に関しては今のところ可哀想だとしか言いようがない。
幾つよ?
という謎年齢設定が皆さんなじめないんじゃないでしょうか。
子供演技をさせているのに、難しいことを言うからしっくりこない。
脚本も演出もぶれているのだから、演じる上野樹里だってキャラの設定が掴めないのでしょう。
主役という看板を背負わされている上野樹里は被害者です。
個人的には、まだ評価は保留です。
どうもアバンから何か懐かしい背筋の寒さを感じていたのですが、オープニングの最後を見て分かりました。
今週から演出は野田雄介。
あの「天地人」を演出していた方ですね。
道理で・・・という、日本地図による説明的演出でした。
死んでいった人を白黒にするところなども天地人でやっていた手法ですね。
危険な臭いを感じましたが、やっぱりドタバタした演出になっていました。
今回の登場人物たちの立ち位置が、「おね」や「なか」も出てきた為にグチャグチャでした。(おとなしく長浜に引っ込ませていてもいいだろに)
織田家から羽柴家に切り替わっていくための人物紹介が必要だったのかもしれませんが、あまりにも説明的。
ついでに言えば、お市と三姉妹が清洲の城に居ることや、秀吉が天下取りへの野望を露わにするのも説明的。
これは分かりやすいというのとはちょっと違うと思います。
面倒くさいので、核心から行きます。
前回の予告「母は嫁ぐことにした」。
それがどのように展開していくのかが今回のポイントでした。
「好きでもないのに嫁ぐのですか?」
「母は武将の心で嫁ぐ」
タブチさんは、自分の気に入ったフレーズは繰り返させる特徴があるので、「母は武将の心で嫁ぐ」というのは快心のセリフなのでしょう。
ただ、純粋に見てお市と三姉妹が秀吉を恨む設定が腑に落ちない。
秀吉が勝手に浅井長政を責めて滅ぼしたワケじゃないでしょ。
浅井攻めの頃なんて、まだ織田家は総力戦に近いわけで、織田家有力武将はほとんど参戦しています。
あなたたちの大好きな叔父上、織田信長が命じたことで、秀吉だけを恨むのはしつこい。
史実に沿えば、浅井家の長男の万福丸は秀吉が殺している(それも信長の命令)わけですからそれで恨むなら分からなくもないけれど、この大河では居なかったことになっています。
しかも、三姉妹と森兄弟が出会ったときに、その「恨み」についてもケリをつけていたはず。
秀吉に恨みがあるから、秀吉が天下を取るのを妨げるための柴田勝家との結婚というのは、史実でもそれに近い部分はあると思うのですが、描き方が中途半端です。
快心のセリフは「好きでもないのに嫁ぐのですか?」とセットになって、当時の女性が言いたかったことを言わせているつもりなのでしょう。
でも、お姫様と自由恋愛って変だって。
というかお姫様って定義はなんなの?
そりゃ、大名や武将の家に生まれれば姫といっていいのかもしれないけど、この大河はそういう話じゃないでしょ。
織田家は「信長」という人物の登場によって、後の秀吉・家康の代になっても戦国セレブという扱いになり、その血筋を利用するため織田家の血を自分の家に取り込むことに努力しているワケです。
唯一無二の戦国セレブな姫たちの物語であればあるほど制約があり、自分を殺す制約の中から自分を見出すから美しいのではないでしょうか。(篤姫のように)
自由な姫の物語をやりたいなら、ディズニーとでも組めばいい。
町娘のようにバタバタバタバタ駆けずり回っていて、自分を決して殺さない母と三姉妹の物語には「儚さ」が感じられないから、視聴後に違和感しか感じないのです。
まっ、ずれまくりです。
細かな点。
・将来の義父とはいえ、毎週毎週徳川を出す必要はないでしょう。
・「頭が高い!控えい!」って水戸黄門?
・史上最小の清洲会議。そしてなぜか江が参加。
・賤ヶ岳の伏線として、佐久間盛政登場。なぜかオープニングでは1本。
・黒田官兵衛の足袋が片一方だけだったのは評価できます。
・柴田勝家のオンオフのツボが分からない。(おそらく大地さんも理解できてない)
なんかドンドンと完走に自信が無くなってきています。