なんとなくホッとしました。
あの「本能寺」を見て、次の週に視聴率が上がるようでしたら、私の感性の方が異常ということになってしまいますからね。
タブチ先生は、「篤姫」から続く視聴率20%以上という記録が途絶えてしまったようですが、あの出来ならそうだろうと思います。
みなさん、篤姫とは違うと感じてきているのではないでしょうか。
何度か書いていますが、「篤姫」は宮尾登美子先生の「天璋院篤姫」という優れた原作がありますが、「江」は原作無し。
やはり、小説家の歴史考察力と、脚本家では差がありすぎるということは明白です。
しかし、それとは別に「江」にはイヤな臭いを感じちゃうんですね。
タブチ先生の「思考」といえばいいのか。
いや、ハッキリ言って「思想」といって良いのかもしれない。
前回、「男は死ぬけど女は死なない」ドラマと書きましたが、極端な「女性上位」。
また、「己の思うがままに生きよ」という、「個人主義」。
そして、ドラマ全体に貫かれている「恋愛至上主義」。
大河でやることじゃないし、もうその古い価値観には飽き飽きしていると思うのですが、それが前面にバンバン打ち出されてしまって「うっ!」となってしまいます。
「篤姫」には、今は失われつつあり、再生が望まれている「家族主義」を貫く潔さが宮﨑あおいの演技が巧くはまったのでしょう。
宮尾先生の偉大さですね。
基本的に、大河ドラマは視聴率は気にしなくていいんじゃないかと思います。
スポンサー付の民放じゃないんだし。
後世に残る、骨太の歴史を描いて欲しい。
日本の古い様式美を守って欲しい。
「本能寺」なんかやり尽くされていると言われていますが、そんなことはない。
やり尽くされているなんて言ってしまったら、それは自分が能無しと言っているようなもの。
同じような本能寺だったとしても、役者の間やカメラアングルとか、たくさんの登場人物の中のスポットのあて方なので違いはどんどん出せると思うのです。
個人的には、「弥助」が暴れる本能寺とか見てみたい。
「弥助」役にはボビー。(イッテQ準メンバーだから無理だろうけど)
話は逸れましたが、ですから、今の露骨に視聴率を獲りに来ている大河なんか天誅とばかりに視聴率が下がった方がいい。
少なくとも、今回でタブチ先生の記録が途切れたことは大河再生のために良かったと思います。