首相、計画避難の早期解除を視野
菅首相は22日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線量を今後6~9か月で大幅に抑えるとした東電の工程表を前倒しで実現させることにも意欲を示した。
「計画的避難区域」などの避難解除の早期実現を視野に入れたものだ。
首相は会見で、「なるべく短い期間で実現する。そうすれば避難した皆さんにどういう形で戻れるかが提示できる」と強調。そのうえで、工程表の実施について、「国も含めて取り組めば、十分実現可能だ。想定される(事態悪化の)あらゆる事象をあらかじめ検討している」と述べた。
「計画的避難区域」に設定されたのは、原則立ち入りを禁じる警戒区域の20キロ圏内を除く浪江町、葛尾村、飯舘村の全域と、南相馬市と川俣町の一部の5市町村。20キロ圏内を除く楢葉町、川内村、広野町の全域と田村市、南相馬市の一部の5市町村は、緊急時に屋内退避や圏外避難が出来る準備を常に求める「緊急時避難準備区域」に設定された。
(2011年4月22日21時28分 読売新聞)
いま、皇室アルバムを見てしまった。
テレビを見ていたら流れていたのですが、国の指導者の姿勢として、膝をついて話す姿に不覚にも涙がこぼれてしまった。
政府や東電の首脳などとは立ち位置が違うとは言え、誠実なお姿に泣けてきてしまいました。
とくに天皇陛下に対しての思い入れはないんですけどね。
短い時間とはいえ、あのような丁寧に話していただいたら、嬉しいだろうと思います。
それに対して、この男は…。
「早期解除」「前倒し」
それは、そうなって欲しいと願ってはいるけど、当事者である総理が軽々しく言う言葉ではないんじゃないかと思う。
地方統一選挙直前のリップサービスなんだろうけど、被災者には残酷な言葉です。
リップサービスでなければ、無知で恥知らず。
高濃度に汚染された、浪江町や飯舘村・福島第1原発周辺などは、少し想像すれば分かるはず。
政府は、軽々しく「客土」を行えば済むと言っている。
客土とは、上部の土を取り除き、他からもってきた土を入れる作業です。
日本では、北海道が「泥炭地」だったために、広く「客土」を行っています。
そのときに力を発揮したのが、中学校の歴史で習ったと思う「屯田兵」です。
しかし、泥炭地と高濃度汚染地は違う。
畑の土地を入れ替えることはできても、畔はどうする?森は?林は?川底は?
これはイチャモンじゃない。
現実として、放射能汚染地域は「葉の裏」にだって放射能物質が付着している恐れがあり、そこからの被曝がある。
人が行き来するところではある程度の「除染」が可能でしょうし、今からやらなければなりません。
けれども、どこまで除染が可能かも分かりません。
できる限りを尽くして解除をしたところで、おそらくもう山に行ってキノコやタケノコや山菜を採ることも叶いません。
時間が経てば、動植物のDNAが破壊され、奇形の生き物も出てくるでしょう。
そこに広がるのは、ふる里とは似て異なる土地しか広がってない。
また、取り除いた土は放射能に汚染された土です。
どこに処分をするのですか?
客土によって入れた土は、ただ土であるというだけで、畑の土ではありません。
そもそも、そんな簡単に回復できるのなら、チェルノブイリやスリーマイルなどに、いまだに立ち入り禁止区域が設けられているわけがない。
避難民の人には申し訳ないです。
もちろん、1日も早い帰郷を願っています。
だからこそ、政府はただしい情報と補償をすべきです。
菅がとか、民主党がとか、政府が、官僚が、東電が、学者がとかじゃなく、責任のある立場のある人たちが、きちんとした対応をしてあげて欲しいです。
リップサービスのぬか喜びは、かえって残酷です。