もんじゅ重大事故想定へ
原子力機構 研究者ら5人で検討委
日本原子力研究開発機構は23日、高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市白木)での想定を超える重大事故に備え、専門家など第三者の検討委員会を発足させる方針を明らかにした。30日にも初会合を開く。
委員はナトリウムの取り扱いや原発に詳しい研究者、識者ら5人。地震や津波による設備面の被害や対策について検討する。もんじゅの安全管理などを話し合うため、同日に県庁で開かれた「もんじゅ総合対策会議」で、原子力機構の辻倉米蔵・敦賀本部長が説明した。
一方、経済産業省原子力安全・保安院は23日、もんじゅで保安検査(6月3日まで)を始め、原子炉容器内から核燃料交換用装置を引き抜く作業の手順や計画を確認した。
保安検査で作業着手が認められたことを受け、原子力機構は同日、敦賀市木崎の機構敦賀本部で、24日に開始する核燃料交換用装置の引き抜き作業の詳細な計画を、報道陣に説明した。
装置先端の開口部に、異物混入を防ぐステンレス製のふた(直径0・5メートル、厚さ6・5センチ、重さ約80キロ)を取り付ける作業を、初日に済ませる。装置の上部を囲む部分にもふたをして、核燃料を出し入れする時に使う仕切り板を取り外して作業が本格化。蛇腹状の特殊な器具で覆ったうえで、原子炉容器の上ぶたの穴から、上ぶたの一部「スリーブ」や蛇腹器具ごと、クレーンで装置を引き抜く。
(2011年5月24日 読売新聞)
前にも書きましたが、高速増殖炉もんじゅのクレーン装置引き抜きが始まっています。
高額なUFOキャッチャーを繰り返した挙げ句に、結局取り出すことができず、担当課長の自殺以降、対策が練り直されていました。
もんじゅの厄介なところは、燃料にプルトニウムを使っているところ。
原子力発電を運転すると、使用済み核燃料から大量に危険なプルトニウムが出てきてしまいます。
国策として、このプルトニウムを何とかしなければならないため、その一つがMOX燃料であり、もう一つが高速増殖炉になるわけです。
被害を想定する半径が、普通の原子力発電所は300kmなのに、もんじゅは500kmとなっているのはそのためです。
高速増殖炉が事故を起こすとややこしいのが、冷却剤に使われているナトリウム。
空気に触れると燃え、水に触れると爆発をするのだそうです。
記事には書かれていませんが、炉の開口部を覆うカバーを被せ、その中に窒素を充満させてから作業を行うようです。
高速増殖炉に関しては、もう日本だけしか研究していないようです。
他の国は全て撤退してしまいました。
今回の事故対応は、成功すれば新しい対応策が生まれるわけですが、それ以前にこれだけ事故が多いのですから、いい加減に撤退してもらいたいものです。
ふげんを廃炉にし、常陽は2007年の事故以来手がつけられずに放置のまま。
往生際が悪すぎです。