イモ類に高い傾向 放射性セシウム吸収比率
2011.5.27 18:54
農林水産省は27日、野菜や果物計21種類が、土壌中の放射性物質(放射能)を吸収する比率を公表した。土壌の汚染程度と照らせば収穫する作物がどの程度汚染されるかが予想でき、今後の作付け品種を選ぶ際などの参考にできる。
農水省によると、比率は国内外の研究データから算出。同省は「データ数が少なく、あくまで参考値」だとして、比率に基づく作付け制限などは行わない。
比率は半減期が約30年の放射性セシウムについて算出。サツマイモが平均値3.3%(最大値36%)、リンゴが同0.1%(同0.3%)などで、水分の少ないイモ類で高い傾向があるという。
仮にコメの作付け制限の基準となっている土壌1キロ当たり5000ベクレルのセシウムを含む畑でサツマイモを育てた場合、収穫物には単純計算で同1800ベクレルが含まれると予想される。同省は「土壌の濃度が高い地域では、イモ類は基準値(同500ベクレル)を超える可能性がある」としている。
〔産経新聞〕
農水省、野菜の作付け判断に目安 土壌の放射性物質で
農林水産省は27日、福島第1原発事故を受けて、畑の土壌に含まれる放射性セシウムがどの程度、野菜、果実など作物に取り込まれるかを示す係数を発表した。22品目が対象。土壌の汚染濃度に係数を掛ければ、収穫時に食品衛生法の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を上回るかどうか予測でき、作付け判断の目安となる。
チェルノブイリ原発事故後に行われた海外の研究データなどを参考に品目ごとに係数の最大、最小、平均を示した。ほとんどの品目は、水田の土壌のセシウムがコメに移る係数(0・1)より低かったが、ジャガイモやサツマイモの最大値はコメより高く、農水省は「土壌の汚染濃度が高い地域での作付けは注意が必要」としている。
出荷停止が相次いだホウレンソウの平均値は0・00054。福島県で多く生産されている品目の平均値はキュウリが0・0068、トマトが0・0007だった。
コメの係数は国内の多くの研究データを根拠として設定。係数に基づいて水田の土壌の汚染濃度にも基準を設け、福島県の一部地域で作付け制限を発動した。一方、野菜などは国内のデータが不足する中、海外の文献に頼り参考値として係数を示したため、係数に基づく作付け制限はしない。
農水省は今後、畑の土壌の放射性物質がどの程度、野菜などに移るのかを調べる独自の実験を行い、より国内の実態を反映した係数を算出する方針だ。
2011/05/27 19:42 【共同通信】
これが記事の元データですね。
【 農地土壌中の放射性セシウムの野菜類及び果実類への移行の程度 】
記事を見て慌てる前に、農水省のデータを見た方が良いでしょうね。
例えば、「ほうれん草」については、一番右の〔備考〕ところにこのように書かれています。
1論文に記載された幾何平均値を転記
「キャベツ」ではこうです。
5論文から得られた58個のデータから算出
こうなると元のデータも見たくなりますが、ともかくここから見る限りは上段の産経新聞の記事は良心的ですね。
論文数が少ないものについての記述は避けています。
さて、ここからは初期のヨウ素との戦いではなく、地中に吸収されたセシウムとの戦いとなってきます。
勝手なイメージとして、ほうれん草<レタス<キャベツ、というイメージでしたが、不確定なものも含めて、このデータでは、レタス<キャベツ<ほうれん草、と比較的ほうれん草のほうがセシウムには強いようです。
もっとも、ほうれん草のデータは不確定としておいた方が良いでしょう。
芋類は、データを重ねてもあまり変化はないでしょうから、産地を選ばないといけないものと認識した方が良いでしょう。
そして、ベラルーシなどからの情報で優良と思われていた「果実類」も、意外と優等生ではないようです。
チェルノブイリでは、リンゴペクチンがセシウム排出に有効と言われていましたが、さらなるデータの積み重ねが必要ですが、産地は選んだ方が良いでしょう。
同じくデータの積み重ねが欲しいですが、「そら豆」がこの数字と言うことは、豆類はいろいろと厳しいことが予測できます。
もう一度書きますが、これからは地中に吸収されたセシウムとの戦いです。
洗って落ちるものではありません。
ベラルーシでは、生野菜も極力避けていたようです。
頑張りましょ!
※N個の幾何平均値の算出方法
(a1×a2×a3×a4×…×aN)1/N