「止めていない」首相、海水注入中断の指示否定
衆院東日本大震災復興特別委員会は23日午前、菅首相と関係閣僚が出席し、復興基本法案の実質審議に入った。
首相は、震災発生翌日の3月12日、東京電力福島第一原子力発電所1号機への海水注入が中断されたことについて、「注入する時も、やめる時も、私どもに(東電から)直接報告はなかった。私を含めて(首相官邸の関係者が)注水を止めたことは全くない」と述べ、同日午後7時過ぎから約20分間行われた海水注入を把握していなかったとして、自らの中断指示を否定した。自民党の谷垣総裁の質問に答えた。
首相と谷垣氏による国会での直接の論戦は、震災後初めて。首相は、「報告があがっていないものを『やめろ』とか『やめるな』と言うはずがない」とも強調した。
政府・東京電力統合対策室の発表で、首相の注入指示が同日午後7時55分とされていることに関連し、谷垣氏が「首相官邸のホームページでは午後6時とされている」とただしたのに対し、首相は「午後6時の指示は、海水注入にあたって(再臨界の危険性を含め)必要なことを検討してほしいというものだ」と釈明した。(2011年5月23日13時26分 読売新聞)