もんじゅ炉内落下の装置、引き抜き完了
2011年6月24日5時36分
日本原子力研究開発機構は24日午前4時55分、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉容器から、約10カ月間落下したままになっていた重量3.3トンの装置の引き抜き作業を終えた。
引き抜き作業は当初、23日午後2時ごろから始まる予定だったが、準備作業がはかどらず、実際に始まったのは7時間近く遅れた午後8時50分だった。
落下していた「炉内中継装置」(直径46センチ、長さ12メートル)は衝撃で変形していたため、引っかかっていた炉開口部のさやの部分と一緒に、天井にある大型クレーンでつり上げた。装置等は約8時間かけ、炉開口部の上方に据え付けた専用の容器「簡易キャスク」(直径1.4メートル、最大長16メートル)に直接、収納された。
成功はともかく良かった!
これで、10ヶ月続いた一つの不安が取り除かれました。
ただし、これは制御不能の状態が制御可能になったことを意味します。
制御棒を上げ下げして炉内温度を調節するだけで止めることの出来ない、綱渡りの状態は大変危険でした。
何よりも厄介なのが、冷却剤に使われている金属ナトリウム。
水をかけれ爆発するし、空気に触れると発火するため、炉が暴走をはじめたらこれまた制御不能なのです。
そのため、今回はアルゴンガスを充填しての作業だったようです。
もう、高速増殖炉はアメリカもフランスも諦めましたし、日本でも諦めませんか?
でも日本は福島がこんな事態になっても諦めない。
高速増殖炉は、日本の原子力政策の核エネルギーリサイクルの終着点だからです。
各原子力発電所からでる「使用済み核燃料」からはプルトニウムが出てきます。
いまはそのプルトニウムが行き先がないままに貯まっています。
しかし、プルトニウムは核燃料への転用が可能なので、大量保有に対して諸外国が非難をしているのです。
いまは仕方なく、MOX燃料としてプルトニウムを少しずつ燃やしているという話は前にも書きました。
この状態は、ストーブの灯油の中に少しガソリンを混ぜて燃やしているようなものです。
正常な状況ではありません。
そこで現在、青森県に再処理施設を作り、プルトニウムを燃料とした高速増殖炉によって、減らしていこうという考えなのです。
つまり、高速増殖炉が動かなければ、日本はプルトニウムをはじめとした使用済み核燃料の行き先を失ってしまい、おのずと動かせなくなってしまうのです。(そこで他の手を考えたのですが、またの機会)
マスコミはあまりもんじゅを扱いませんでしたが、多少認知されたようです。
この機会に、高速増殖炉の研究には撤退してもらいましょう。
核大好きなアメリカとフランスが手を引いているものが日本に扱えるわけがありません。
いや、扱わせてはいけない。
もんじゅは1日に5000万円とも5500万円とも言われています。
そのお金があれば、自然エネルギーに転換できるでしょう。
もんじゅにかける費用4日分で、風力発電が1基建ちます。
税金の使い方を考えましょう。