一進一退のベント記録、首相滞在中の詳細なし
東京電力は18日、東日本大震災発生直後から3月15日までの間、福島第一原子力発電所での事故対応を、社員の証言や記録に基づき時系列で記した資料を公表した。
1号機の格納容器の蒸気を放出するベントでは、高い放射線量の下で、中央制御室の当直員が一進一退の作業を繰り返した様子が明らかになった。ただ、菅首相が同原発に視察に来た時間帯については詳しい記載はなかった。
資料によると、震災翌日の12日午前1時半頃、東電が国にベントを申し入れ、了解を得た。東電本店から同原発には、「あらゆる方策でベントしてほしい。午前3時の発表後に行うこと」という連絡が入った。しかし作業は難航。原子炉建屋内の放射線量を測定するため、作業員が二重扉を開けると、白いもやがかかっており、測定を断念。午前4時30分頃には、余震による津波の恐れから、当直員に現場に行かないよう指示が出た。同45分頃になってようやく、作業に必要なポケット線量計と全面マスクが中央制御室に届けられた。
(2011年6月19日03時09分 読売新聞)
東北地方太平洋沖地震発生当初の福島第一原子力発電所における対応状況について
・添付資料:福島第一原子力発電所における対応状況について 資料一覧(PDF 7.16KB)
・添付資料:福島第一原子力発電所 被災直後の対応状況について(PDF 661KB)