千度以上示す核物質、3月12日に検出していた
東電福島第一原発から約6キロ離れた福島県浪江町で3月12日朝、核燃料が1000度以上の高温になったことを示す放射性物質が検出されていたことが分かった。
経済産業省原子力安全・保安院が3日、発表した。検出された物質は「テルル132」で、大気中のちりに含まれていた。原発から約38キロ離れた同県川俣町では3月15日、雑草から1キロ・グラム当たり123万ベクレルと高濃度の放射性ヨウ素131も検出されていた。
事故発生から2か月以上たっての公表で、保安院の西山英彦審議官は「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」と釈明した。
テルルの検出は、1号機から放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」の実施前だった。
(2011年6月3日23時09分 読売新聞)
「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」
しれっと言えてしまうことが凄い。
SPEEDIやファックスの件にしてもそうなんだけど、西山審議官を始め官邸に詰めている人たちが更迭や処罰を受けたという話を聞かないのが不思議でならない。
いや、正確には西山審議官の前任者が「メルトダウンの可能性」を口走ってしまい更迭されています。
正しいことを言った人は更迭で、その後のサボタージュを続けた可能性のある人たちは居座り続けている。
このことが指し示していることは、政府もグルとしか感じない。
しかも、1000度以上になっていることを示す物質が出た情報を流さなかったことは「隠蔽」なのか「国民を助けるつもりが無かったのか」「無能」なのかしかない。
きっと、のちに「国民がパニックを起こさないため」という言い訳が出てくるのだろう。
パニックを起こさなかったことよりも、健康被害の方がよっぽど酷いことになると思うのですが…。
知らせない国が悪いのか、知ろうとしない国民が悪いのか。
情報と想像力が必要だとは思います。
また、この事態はいろいろな意味で想像以上過ぎて驚くことばかりで、自分も至らない。
しかし、これから起こることは、常に最悪を想像しておいた方が良いと思います。
広島に原爆が落とされた後、広島の産婆さんはたくさんの頭が欠けた子供や頭が無い子供を取り上げたそうです。
包帯で頭があるように見せかけ、母親に「死産であった」と告げ、見せないように葬ったそうです。
そのようなことが少しでも少なくて済むように願いたいばかりですが、政府の初動には疑問が残る。
私は、爆発した後は常に福島第一原子力発電所の風向きをチェックしていたので3号機爆発の後に逃げ出したわけですが、うちの親などは政府の発表が無かったことが理由に動きませんでした。
そういう人たちはいっぱい居たと思います。
お年寄りはともかく、また自分くらいの年齢まで生きたのならともかく、子供のことを考えると酷い話だと思う。
「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」
あまりにも無神経で、国民を虫けらのようにしか考えていないことが分かる言葉です。