過去最高の放射線量測定=毎時10シーベルト以上-福島原発、作業に影響なし・東電
東京電力は1日、福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒の表面で、過去最高の1時間当たり10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の放射線量が測定されたと発表した。測定した作業員の被ばく量は最大4ミリシーベルトだった。
これまでの最高値は、1号機原子炉建屋内で6月に測定された同4000ミリシーベルト。同10シーベルトを仮に6分間防護服などなしに浴びると、1000ミリシーベルトを被ばくすることになり、吐き気やリンパ球の急激な減少などの症状が出る。
東電は半径数メートルを立ち入り禁止にするとともに、今後、付近に鉄板を設置するなどして放射線を遮蔽(しゃへい)する。ただ、この付近での作業は予定されておらず、今後の事故収束作業への影響はないという。
東電によると、排気筒には非常用ガス処理系と呼ばれる配管が接続されており、この接続部で高線量が測定された。1号機では震災直後の3月12日、原子炉格納容器の圧力逃がし弁を開く「ベント」が行われたが、その際に、容器内の空気がこの配管の中を通った。東電は、通過した気体に含まれる放射性物質が配管内に付着し、何らかの理由で高い放射線量になったとみている。
(2011/08/01-23:59)
東電:1号機原子炉建屋で毎時5シーベルト-室内で過去最高
8月2日(ブルームバーグ):東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は2日夕の記者会見で、福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋2階で毎時5シーベルトを計測したと発表した。室内で計測された放射線量としては過去最高。
松本氏は「遮蔽してもここで作業するのは難しいだろう」との見方を示した。格納容器のベント配管の合流点があるといい、松本氏は「格納容器をベントした際、大量の放射性物質が通過したときの物質がたまっているが、水などに結露している可能性がある」と語った。
これまで室内で計測された放射線量で最高だったのは1号機原子炉建屋1階南東角の4シーベルト。1日夜には1号機と2号機の主排気塔底部の表面で、同原発内で測定された放射線量では最高値の10シーベルトを観測していた。
5シーベルトが計測されたこのエリアに人やロボットが入ったのは今回が初めて。格納容器内のガスのサンプリング代替ラインを探すのが目的だった。
計測された放射性物質に関して、松本氏は「核種分析はこの装置ではできない。これまでの結果から考えるとセシウム主体と考えている」と述べた。高い放射線量が計測された原因は調査中。
松本氏は「当面はこの部屋に近づかず、不必要な被ばくを避ける」方針を示した。来年1月半ばまでに原子炉を「冷温停止」状態にすることを目標にしている「ステップ2」への影響はないのか、との質問に対し、松本氏は「それで結構だ」と答えた。
10シーベルトが計測されたこととの関連性について、松本氏は関係なく調べたところ、「たまたま測ると高線量だった」と語った。
さて、時間が経ってしまいましたが、10Svの件について書いておきましょう。
排気筒のところで10Sv、1号機建屋内で5Svと数字だけが先行しています。
ただしくは、10Sv超・5Sv超と書くべきですし、認識すべきです。
そこまでしか測れないものの最高値が出たわけで、それ以上の数値が出ているわけです。
さて、上記の写真ですが、東京電力のサイトを見ると釣り竿のようなものの先にカメラを付けてこの写真を撮っていることが分かります。
その時の被曝量が最大で4mSv。
ちょっと整理してみましょう。
放射線は「逆二乗の法則」といわれ、放射線の量は放射線源からの距離の2乗に反比例すると言われています。
ここに時間の概念が加わってしまうのでややこしい。
さらに、そもそも測定が1m離れたところから行われたものであるというのもややこしい。
例えば、ツイッター上では「ふくいちから10Sv以上の放射能が出ているので、北風は危ない」などというのを熱心に書いている人がいます。
ふくいちから200km離れているところで考えてみると、
10Sv=10000mSv=10000000μSv
200km=200000m
より、
10000000÷(200000)2=10000000÷40000000000=0.00025μSv
となるのでしょうか。
(計算は合っているのでしょうか?)
ですから、ふくいちの線源からの放射線量を気にしても仕方ないと思います。
逆に、4mSvの被曝から、線源の線量を計算することもできます。
記事には作業時間が書いていないので、仮に1分の作業とすると
4mSv×60=240mSv/時
よって、
(距離)2=10000÷240
より
距離≒6.5m
仮に2分だと9.1m、3分だと11.2m。
あまり長いと写真を撮るにも棒の先に付けたカメラが安定しないと思いますし、近づくまでにも被曝するので、こう考えると1分=6.5mが限界じゃないかと。
逆に、10Svが20Svだと1分なら15.5mの距離を取らないと4mSvの被曝はあり得ない。
そう考えると、10Svという数字は4mSvという数値から考えると妥当です。
もっとも、4mSvが正しいかも分かりませんけど。
変数が多いので、アテにならない計算ですけど参考までに。
さらに、このことから線源が一部で言われているような破損した燃料棒の一部ではないことも推定できます。
(反原発の闘士の小出助教とは意見が異なってしまいますが)
燃料棒は8000~9000Svだそうです。
そうなると、たとえ防護服を着ていたとしても、被曝量が4mSvで済むわけがありません。
少なくとも、ここには無い。
イヤらしい見方をすると、人ではなくロボットに計測させて5Sv超を計測した1号機建屋内の方が怪しいかもしれません。
何度か書いていますが、3号機の燃料プールには疑問を持っているので、破損した燃料棒が転がっているという話は、「ある」と思っています。