東日本大震災:関西でコメ風評被害深刻 放射性物質不検出でも「買わない」44.7%
◇筑波大大学院助教、既婚女性アンケート
東京電力福島第1原発に近い産地の今年の新米について、「放射性物質が検出されなくても買わない」という都市部の女性が関東で3割、関西では4割に上ることが専門家の調査で分かった。セシウム汚染拡大による主食への風評被害の深刻さが浮かび、専門家は「生産者の経済的被害を軽減するため、消費者意識を踏まえた対策を急ぐ必要がある」と提言している。
筑波大大学院の氏家清和助教(食料消費分析)が8月上旬、東京、大阪とその周辺で20~69歳の既婚女性を抽出してアンケートを実施し、2089人から回答を得た。
質問は、5キロ2000円の汚染の恐れがないコメ(A)と、福島第1原発に比較的近い産地のコメ(B)の2種類が売られていた場合、Bがいくらならば買うかを尋ねた。Bについては放射性物質の検出値を(1)不検出(2)国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)の100分の1以下(3)同10分の1(4)同2分の1(5)規制値以下--の5パターンに分けた。
その結果、価格にかかわらず「不検出でも買わない」という人の割合は関東で34・9%、関西では44・7%。規制値の10分の1では「買わない」が関東で52・9%、関西では60・4%に上った。
一方、関東では「不検出ならAと同額以上でも買う」が28・9%、規制値の500ベクレルに近い値が検出されたとしても「Aより安ければ買う」も31・3%いた。
氏家助教は「国の暫定規制値が安全かどうかはともかく、消費者を安心させる指標にはなっておらず、特に被災地から遠い関西の風評被害が厳しい」と指摘。それでも検出値が低ければ買う人の割合が増えていくことに注目し、「適正な検査を行い結果を明記すれば、より高い価格で売れる可能性がある。当面は消費者に汚染の程度を細かく伝えることが、経済的被害の軽減につながる」と提言している。【井上英介】
毎日新聞 2011年9月3日 東京夕刊
東日本大震災:関西でコメ風評被害深刻 放射性物質不検出でも「買わない」44.7%
2011年9月3日15時0分
東京都江戸川区にある福島県のアンテナショップ「ふくしま市場」で3日、同県産の早場米の販売が始まった。東京電力福島第一原発事故による消費者の不安を拭おうと、生産農家も店頭で安全をPRした。
イトーヨーカドー葛西店にある同ショップで販売されたのは「五百川」と「瑞穂黄金」の2品種。5キロ入りの袋が平積みにされた脇に、放射性物質が検出されなかった県の検査結果を示す紙を張り出した。炊きたてのご飯も試食用に準備し、買い物客らに勧めた。
販売されたコメの生産農家の一人、本宮市の後藤正人さん(31)は、県の検査に加えて独自に民間の機関に依頼し、安全を確かめたという。「できる手は尽くして安全でおいしいお米を作った。なんとか理解して買ってほしい」と話した。
1袋購入した江戸川区の男性(57)は「検査で安全が確認されているので買った。放射性物質を気にしすぎても仕方がないと思う。福島出身なので福島産のコメしか買ったことがない」。(岡雄一郎)
資本主義というのは面白いもので、その商品に対してその価格で買う気になるか、ならないかというのにかかっています。
極端な話、499Bq/kgで10kg1万円でも買いたいという人が居れば売買は成立するわけで、逆に10kg1円でも買う人が居なければ成立はしません。
これが基本です。
しかし、それが成り立たないのがコメ。
一定の基準に達しないコメなどは農家にとってゴミにしかならないのですが、コメを売るときに、このゴミも引き取ってくれています。
一定の基準に達していないだけでもコメはコメ。
混ぜてしまえば、それで利益は出るわけです。
一定の基準が、いままでは「成育」の問題だけでしたが、これからは「放射能」がついて回るわけです。
政府はセシウムしか計測していませんが、ストロンチウムやプルトニウムなど、もっと凶悪なものは時間がかかることを理由に計測していません。
これで手を出せというのは無理な話。
「風評被害」というのは、政府が作り出している面もあるとおもいます。
◇筑波大大学院助教、既婚女性アンケート
東京電力福島第1原発に近い産地の今年の新米について、「放射性物質が検出されなくても買わない」という都市部の女性が関東で3割、関西では4割に上ることが専門家の調査で分かった。セシウム汚染拡大による主食への風評被害の深刻さが浮かび、専門家は「生産者の経済的被害を軽減するため、消費者意識を踏まえた対策を急ぐ必要がある」と提言している。
筑波大大学院の氏家清和助教(食料消費分析)が8月上旬、東京、大阪とその周辺で20~69歳の既婚女性を抽出してアンケートを実施し、2089人から回答を得た。
質問は、5キロ2000円の汚染の恐れがないコメ(A)と、福島第1原発に比較的近い産地のコメ(B)の2種類が売られていた場合、Bがいくらならば買うかを尋ねた。Bについては放射性物質の検出値を(1)不検出(2)国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)の100分の1以下(3)同10分の1(4)同2分の1(5)規制値以下--の5パターンに分けた。
その結果、価格にかかわらず「不検出でも買わない」という人の割合は関東で34・9%、関西では44・7%。規制値の10分の1では「買わない」が関東で52・9%、関西では60・4%に上った。
一方、関東では「不検出ならAと同額以上でも買う」が28・9%、規制値の500ベクレルに近い値が検出されたとしても「Aより安ければ買う」も31・3%いた。
氏家助教は「国の暫定規制値が安全かどうかはともかく、消費者を安心させる指標にはなっておらず、特に被災地から遠い関西の風評被害が厳しい」と指摘。それでも検出値が低ければ買う人の割合が増えていくことに注目し、「適正な検査を行い結果を明記すれば、より高い価格で売れる可能性がある。当面は消費者に汚染の程度を細かく伝えることが、経済的被害の軽減につながる」と提言している。【井上英介】
毎日新聞 2011年9月3日 東京夕刊
東日本大震災:関西でコメ風評被害深刻 放射性物質不検出でも「買わない」44.7%
2011年9月3日15時0分
東京都江戸川区にある福島県のアンテナショップ「ふくしま市場」で3日、同県産の早場米の販売が始まった。東京電力福島第一原発事故による消費者の不安を拭おうと、生産農家も店頭で安全をPRした。
イトーヨーカドー葛西店にある同ショップで販売されたのは「五百川」と「瑞穂黄金」の2品種。5キロ入りの袋が平積みにされた脇に、放射性物質が検出されなかった県の検査結果を示す紙を張り出した。炊きたてのご飯も試食用に準備し、買い物客らに勧めた。
販売されたコメの生産農家の一人、本宮市の後藤正人さん(31)は、県の検査に加えて独自に民間の機関に依頼し、安全を確かめたという。「できる手は尽くして安全でおいしいお米を作った。なんとか理解して買ってほしい」と話した。
1袋購入した江戸川区の男性(57)は「検査で安全が確認されているので買った。放射性物質を気にしすぎても仕方がないと思う。福島出身なので福島産のコメしか買ったことがない」。(岡雄一郎)
資本主義というのは面白いもので、その商品に対してその価格で買う気になるか、ならないかというのにかかっています。
極端な話、499Bq/kgで10kg1万円でも買いたいという人が居れば売買は成立するわけで、逆に10kg1円でも買う人が居なければ成立はしません。
これが基本です。
しかし、それが成り立たないのがコメ。
一定の基準に達しないコメなどは農家にとってゴミにしかならないのですが、コメを売るときに、このゴミも引き取ってくれています。
一定の基準に達していないだけでもコメはコメ。
混ぜてしまえば、それで利益は出るわけです。
一定の基準が、いままでは「成育」の問題だけでしたが、これからは「放射能」がついて回るわけです。
政府はセシウムしか計測していませんが、ストロンチウムやプルトニウムなど、もっと凶悪なものは時間がかかることを理由に計測していません。
これで手を出せというのは無理な話。
「風評被害」というのは、政府が作り出している面もあるとおもいます。