鉢呂経産相辞任:「放射能つけたぞ」発言 非公式取材で
鉢呂吉雄経済産業相は8日午後11時過ぎごろ、福島第1原発視察を終え防災服姿のまま東京・赤坂の議員宿舎に帰宅した際、記者団に非公式の取材に応じた。
10人程度の記者に取り囲まれた鉢呂氏は、視察について「ひどいと感じた」などと感想を述べた。その際、近くにいた毎日新聞男性記者に近寄って防災服をすりつける仕草をし「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした。その後、除染作業を急ぐ必要性を強調した。
毎日新聞 2011年9月10日 22時09分(最終更新 9月11日 0時42分)
マスコミにしては、鉢呂前経産大臣の追求は久しぶりの「言葉狩り」を行いました。
2年前の夏に、マスコミが民主党はクリーン、自民党はダークという印象操作を行い、結果として政権交代が行われたわけです。
その直前の自民党に対する言葉狩りは酷かったと思う。
発言の全てを取り上げるわけでなく、発言の一部を切り取って報道する。
この手法は毎回ながら卑怯きわまつり無い。
挙げ句の果てには、絆創膏を貼ってあるだけで辞めることになった大臣さえ出る始末。
見方を変えれば、マスコミが民主党を賞味期限切れとして見放したようにも見えなくもない。
マスコミは連敗していた。
自民党なら、トラブルが起これば大臣や首相でさえ辞めさせることによって事態を収拾していたのに、菅・海江田などは時間を掛けることによって国民が飽きるのを待って辞任にまで持ち込むことはできなかった。
今回はなんの意図があるのかは不明ですが、「死の町」から「放射能をつけた」と畳み掛けて辞任に追い込んだのだから久々の勝利なのだろう。
しかし、本当はなんて言ったの?
主要新聞を下に拾っていますが、バラバラです。
一説によると、それを聞いたのは「毎日新聞」の記者だけと言う話です。
鉢呂前経産大臣の発言がバラバラなのはそこらへんが理由らしい。
そんなことが可能なら、これから先はどこかの記者が勝手に言い立てて、それにマスコミ各社が乗れば政治家なんて簡単に辞めさせることができる。
マスコミはどんどんと恥知らずになっている。
私たちは、マスコミが言葉狩りをはじめたときこそ注意をしないとバカにされるだけだ。
経産相“放射性物質うつった”発言
9月9日 23時59分
鉢呂経済産業大臣は、野田総理大臣とともに福島県の被災地などを視察したあと、8日の夜、都内の議員宿舎に戻った際、記者の体に触れるようなしぐさをしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことが明らかになりました。鉢呂大臣は、周辺に対し「厳しい原発の現状などを記者団と共有したいという思いだった」と釈明しています。
鉢呂経済産業大臣は、8日、野田総理大臣とともに、福島県の被災地や福島第一原発の状況などを視察しました。そのあと鉢呂大臣は、都内の議員宿舎に戻った際、記者団に対し、原発の状況や作業員の仕事ぶりについて説明する中で、記者の体に触れるようなしぐさをしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことが明らかになりました。これについて鉢呂大臣は、周辺に対し「厳しい福島原発の現状と作業員の懸命な努力の様子を、記者団と共有したいという思いだった。誤解を与えたのであれば、自分の本意ではない」と釈明しています。鉢呂大臣は、9日の記者会見で「東京電力福島第一原子力発電所の周辺の町村の市街地は、人っ子一人いない、まさに『死のまち』という形だった」と発言し、その後、改めて記者会見して、「被災者の皆さんに誤解を与える表現だった」と述べ、発言を撤回したうえで陳謝しました。
〔NHK〕
鉢呂氏「放射能つけちゃうぞ」 「死のまち」発言は陳謝
2011年9月10日1時30分
鉢呂吉雄経済産業相は9日夕の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の周辺市町村について「死のまち」と表現した自らの発言を撤回し、陳謝した。この発言をめぐり、野田佳彦首相は同日、「不穏当な発言」として謝罪と訂正を指示。原発事故の被災地も反発している。
また、鉢呂氏が8日夜、記者団に「放射能をつけちゃうぞ」と発言していたことも明らかになった。野田首相らとの福島県視察を終え、東京都内の衆院議員赤坂宿舎に帰宅した時のこと。この際、取り囲んだ記者の一人に、着ていた防災服をなすりつけるようなしぐさもしていた。
鉢呂氏の「死のまち」発言が出たのは、9日午前の閣議後会見の冒頭。8日の福島県視察を取り上げ、原発周辺の状況を説明する中で「市街地は人っ子一人いない、まさに『死のまち』という形だった」と述べた。
〔asahi.com〕
鉢呂経産相「ほら放射能」…党内に進退論
鉢呂経済産業相が野田首相とともに福島第一原子力発電所の周辺自治体を視察して帰京した8日夜、着ていた防災服の袖を取材記者にくっつけるしぐさをし、「ほら、放射能」と語りかけていたことが9日、明らかになった。
原発を担当する閣僚として不適切な言動だとの批判が出るのは必至で、与党内では同日夜、進退問題に発展するとの見方が浮上した。
発言について、鉢呂氏は9日夜、記者団に「(現場に)親しいマスコミの皆さんが多く、被災地の話をしたというのが真意だ。(放射能をうつすとか)そういう発言はしていないと思う」と説明した。
この問題で、野田首相周辺と民主党幹部は9日夜、対応を協議した。
同党幹部の一人は、「参院では鉢呂経産相に対する問責決議案が出るだろう。国会運営はきつくなる」と述べ、鉢呂氏の進退論に言及した。
鉢呂氏はこれに先立ち、9日午前の記者会見で、福島第一原発周辺について、「人っ子一人いない。まさに死のまち」と表現したことについて、同日午後の記者会見で「被災地の皆さんに誤解を与える表現だったと真摯(しんし)に反省し、表現を撤回し、深く陳謝申し上げる」と謝罪、発言を撤回した。
(2011年9月10日03時03分 読売新聞)
鉢呂経産相、撤回し陳謝 8日には「放射能をうつしてやる」 野党は追及の構え
2011.9.9 23:51
鉢呂吉雄経済産業相は9日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故周辺を8日に視察した感想を「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない。まさに死の町という形だった」と述べた。
野田佳彦首相は視察先の三重県紀宝町で「不穏当な発言だ。謝罪して訂正してほしい」と不快感を表明。鉢呂氏は「思いはみなさんにご理解いただけると思うが、被災地のみなさんに誤解を与える表現だった。真摯(しんし)に反省し、表現を撤回したい。大変申し訳ありませんでした」と陳謝した。
また、鉢呂氏は視察から帰京した8日夜、都内の議員宿舎で記者団と懇談中、記者に防災服の袖をすりつけるしぐさをし「放射能をうつしてやる」などと発言したことも判明。鉢呂氏は9日夜、発言の真意を問われ「言ったかどうかちょっと定かではない」と語ったが、防災服をすりつけた行為については「(相手に)近づいていったのは事実だ」と認めた。
藤村修官房長官は9日の記者会見で「死の町」発言について「直ちに閣僚の適格性につながるとは思わない」と述べたが、野党は野田首相の任命責任を含め徹底追及する構え。自民党の大島理森副総裁は「被災者を傷つける言葉で許されない」と批判。みんなの党の渡辺喜美代表は「言語道断。糾弾されるべき発言だ」、共産党の市田忠義書記局長は「悲嘆に暮れている被災者の気持ちがまったく分かっておらず許されない」と非難した。
鉢呂氏は進退について「コメントできない」とするが、原発を含めエネルギー行政を所管するだけに政府・与党も事態を深刻に受け止めており進退問題に発展する公算が大きい。
〔産経新聞〕
経産相「放射能うつす」 防災服すりつけ発言
2011年9月10日 07時11分
鉢呂吉雄経済産業相が東京電力福島第一原発の視察を終えた八日夜、都内で報道陣の一人に防災服をすりつけるしぐさをし、「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をしていたことが九日分かった。与党幹部が九日夜、「事実なら厳しい」と述べるなど、政府、与党内に進退問題に発展するとの見方も浮上した。野党は「死の町」発言と合わせ、十三日召集の国会で追及する姿勢を強めており、野田佳彦首相が厳しい判断を迫られる可能性も出てきた。
経産相は九日夜、放射能発言について記者団に「(記憶が)ちょっと定かではない」と説明。防災服をすりつけた行為に関しては「(相手に)近づいていったのは事実だ」と認めた。原子力政策の担当閣僚の問題発言は原発事故対応を最重点に掲げる野田政権にとって大きな痛手だ。
鉢呂経産相は午前中の「死の町」発言を受けた二度目の記者会見で「被災地の皆さんに誤解を与える表現で軽率だった。大変申し訳ない」と陳謝し、「発言を撤回したい」と明言した。
首相は九日午後、訪問先の三重県で「死の町」発言について「不穏当な発言だ。謝罪、訂正してほしい」と強い不快感を表明した。記者団の質問に答えた。
藤村修官房長官も会見で「原発の周辺住民には多大な迷惑を掛けている。言葉の使い方に配慮すべきだ」と批判。ただ「直ちに適格性につながるとは思わない」として、引責辞任を否定した。
一方、自民党の逢沢一郎国対委員長は都内で記者団に「とんでもない発言だ。所管大臣として自覚しているのか。資質がいきなり問われる事態だ」と指摘。首相の任命責任と合わせて追及していく決意を示した。
鉢呂氏は八日、首相とともに原発周辺などを視察。九日午前の会見で「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない『死の町』だった」と発言した。
(東京新聞)