飯舘村の土で栽培のコメ、基準5倍超セシウム 金大・田崎名誉教授が実験
【9月27日03時22分更新】
田崎和江金大名誉教授は26日までに、高い放射線量が観測された福島県飯舘村の土を使って稲を栽培する実験を行い、収穫したコメから国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)の5倍以上となる2600ベクレルの放射性セシウムが検出されたとする結果をまとめた。同村は福島第1原発事故でコメの作付けが禁止されており、データは土壌の放射線量が農作物に与える影響を裏付ける重要な資料となる。
田崎名誉教授は6月下旬に福島を訪れた際、高い放射線量を記録した飯舘村長泥地区の水田で土壌を採取。金沢市内の自宅で、この土壌に同市俵町で発芽させたコシヒカリの苗を植えた。
今月中旬に稲を刈り取り、北陸環境科学研究所(福井市)で各部分のセシウム137を分析し、1キロ当たりの線量を割り出した。その結果、籾米(もみごめ)からは、最も高い2600ベクレルが検出された。わらは2200ベクレル、根は1500ベクレルで、 土壌の線量は5万ベクレルだった。
比較のため、俵町の水田に植えたコシヒカリも分析したところ、放射性物質はまったく検出されなかった。
田崎名誉教授は「可食部の放射線量が最も高くなり、私自身も衝撃を受けた。土壌の除 染を急ぐ必要があるとあらためて感じる」と話した。27日には福島県南相馬市で農家に能登の珪藻土(けいそうど)を使った除染方法などを指導する。
貴重な研究だと思います。
児玉教授も言っていますが、本当は土を動かすのは平時なら法に触れることなので、その気になればこの先生は捕まってしまいます。
勇気ある研究です。
土壌が5万Bqで、最も高い籾米が2600Bqということは、移行係数が0.52。
妥当な数値だと思います。
このコメを精米しても、おそらく500~600Bqでしょう。
その数字を見るだけでも、飯館村は厳しい状況にあることが分かります。
除染にもタイムリミットがあります。
雪が降ってしまえば、除染はできなくなり、セシウムは土壌に深く入り込んでしまい、より困難になります。
国の動きが遅すぎる。
つくづく、菅が総理をやっていた時間がもったいなさ過ぎる。