もんじゅ、試験運転見送り=来夏以降に判断-文科省
文部科学省は30日、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」について、今年度中に予定していた試験運転の実施を見送る方針を、福井県と敦賀市に報告した。東京電力福島第1原発事故を受け、原子力政策の見直しが進んでいることなどから、新たな方針が示される来夏以降に判断を先送りした。
文科省幹部が同日、県庁に西川一誠知事を訪ね、もんじゅに関する来年度予算概算要求について説明。出力を上げて発電する「40%出力試験」について、「政府内の議論を踏まえる必要がある」として開始時期を延期すると伝えた。また、高速増殖炉の実用化に向けた研究開発費を3分の1程度に削減することも説明した。
西川知事は「もんじゅや核燃料サイクルは、生活の基本に関わる話題。しっかりした軸を持って議論してほしい」と答えた。(2011/09/30-20:54)
概算要求:文科省、原子力関連43億減…高速増殖炉凍結で
文部科学省の来年度予算の概算要求で、原子力に関する研究開発関連予算が、今年度比約43億円減の2398億円となった。東京電力福島第1原発事故によって、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを燃やす「核燃料サイクル」政策を推進してきた国の原子力政策大綱の改定作業が始まり、サイクルの中心となる高速増殖炉の研究を来年度は凍結することにしたことが主な理由だ。
高速増殖炉は現在、原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で研究中。主に減額されたのは、実用化に向けたもんじゅの次世代の「実証炉」に関する研究予算。施設維持費など必要最小限にしぼり、今年度の100億円から67億円減の33億円となった。
一方、もんじゅ関連予算は、今年度の216億円からほぼ横ばいの215億円。もんじゅは今年度中に予定していた試験運転を見送ったが、設備点検・補修の維持費用と、原発事故を受けた安全対策費などを計上した。【野田武】
毎日新聞 2011年9月30日 21時10分
官僚用語で「判断」というのは、将来に動かすというということなのだそうです。
今話題の公務員住宅も、5年後に「判断」。
止める気があるのなら、即刻「中止」となるそうで。
もんじゅはなかなかしぶとい。