福島第1原発:「EPZ超える」と事故後に試算 基盤機構
独立行政法人「原子力安全基盤機構」(JNES)は14日、東京電力福島第1原発事故を受け、三つの原子炉が事故を起こした場合、国の防災指針で定めた「防災対策を重点的に準備すべき地域」(EPZ)を超えて高い線量の放射性物質が広がると、3月26日時点で試算していたことを明らかにした。試算を依頼した経済産業省原子力安全・保安院はEPZ拡大の検討に活用していなかった。
JNESは事故の進展予測や周辺への影響などの分析結果39件を公表した。
現行の防災指針は、一つの炉心で事故が起きると想定。EPZの範囲を原発から8~10キロに設定すると、全身の外部被ばく線量を基準の10ミリシーベルト以下に抑えられるとしている。JNESは、三つの炉心で事故が起きたと想定し、放射性ガスやヨウ素の放出量を3倍にして試算した結果、被ばく量を基準内に抑えるためにはEPZを24.5キロまで拡大することが必要となった。
一方、原子炉や使用済み核燃料プールで、再び連続的な核分裂反応を起こす「再臨界」や燃料溶融についても、最悪の事態を念頭に置いて解析していた。
3月中旬には、1~4号機のうち、最も多い1535本の燃料棒があった4号機プールで再臨界の可能性を検討。燃料を収めるラックが損壊した場合、「臨界になりうる可能性がある」と結論づけた。さらに6月30日付の資料では、爆発で耐震性が低下した4号機プールが、余震などで亀裂が生じて水が失われた場合、2.3時間で燃料被覆管の破損、7.7時間で燃料溶融が始まると解析。当時はプールの耐震補強工事が進められており、切迫した状況にあったことが分かった。【比嘉洋、八田浩輔】
毎日新聞 2011年10月14日 21時48分(最終更新 10月14日 23時36分)
チャイナ・シンドローム、ひそかに試算…保安院
経済産業省原子力安全・保安院が、東京電力福島第一原子力発電所1~3号機で核燃料が完全に溶け落ちて、格納容器の底部を大きく侵食する最悪のケース(チャイナ・シンドローム)を想定した試算を、事故発生から2週間後の3月25日以降、ひそかに行っていたことが14日わかった。
注水できなくなった場合、2、3号機は、厚さ約3メートルのコンクリートへの侵食が10日以上続き、1号機の侵食は8日間で1・8メートル進んで収まるとした。保安院や東電は当時、燃料の状態について「一部損傷した程度」と説明していた。
保安院が試算を指示した独立行政法人の原子力安全基盤機構が同日公開した。炉心が溶融して、圧力容器底部の制御棒貫通部などから格納容器にすべて落下し、その底部にあるコンクリート製の床「ペデスタル」をどの程度まで侵食するかを試算した。全炉心が一瞬で落下する場合や溶融燃料がジェット状に噴出する場合なども想定した。
(2011年10月15日09時16分 読売新聞)
「原子力安全基盤機構」http://www.jnes.go.jp/
まあ、どんどん後出しで出てきますね。
結局は、世間の有象無象の人々の方が正しいことが多かったということ。
政府の発表は信じれないということですね。