震災直後に放射性物質放出の可能性指摘 経産省所管の独法
2011/10/14 22:13
経済産業省所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が3月15日、東京電力福島第1原子力発電所事故で「大量の放射性物質を環境に放出する可能性がある」とする解析結果を作成していたことが分かった。経産省原子力安全・保安院は報告を受けていたが公表せず、実際の政策判断にどこまで生かされたどうかは不明だ。
同機構が14日公開した解析資料で判明した。
3月15日の資料は使用済み核燃料プールで注水・冷却を始めないと翌朝までに1~4号機すべてで水が沸騰、蒸発して燃料が破裂すると解析。放射性物質が大量に放出されると推定した。14日の記者会見で保安院側は「資料は注水が重要だという認識を示したものだ」とした。
3月18日の資料では「プールの燃料貯蔵ラックが喪失した場合、臨界になりうる可能性がある」と記述。同21日には、放射性物質の放出量から逆算すると炉心の重大損傷が起きていると推定した。同25日には溶けた核燃料が格納容器のコンクリート床を貫通する可能性を分析していた。
散々被曝させたあとに、「大量の放射性物質を放出する可能性がある」なんて言われても困るだろうけど、ここが分岐点だったんでしょうね。
もし、このときにこの可能性を踏まえた上での政策が行われていれば、今の福島とは違う状況も生まれていたのではないでしょうか。
しかし、自分は甘かった。
この国の人々は、もっと放射能に過敏かと思っていた。
この国の行政は、もっとまともだと思っていた。
国民が、放射能を見たくないものとして目を閉じ続けている限り、行政も見たくないものとして対応した方が得なのでしょう。
なんたって、この国の居住権は保障されているので、どこに住もうとも自由。
そして、放射能による病気は、ただちに発病するものでもないので、因果関係も認めづらい。
地方公共団体にしても、わざわざ自分の地域の住民を減らして、税収を減らすような政策をとるわけがない。
どうやら、自己責任で済まされてしまうことになりそうだ。
もう、行政は信用できないものとして考えたほうがよさそうだ。
次の衆議院議員選挙までは約2年か…。
長いなぁ。
保安院、防災地域分析を生かさず 3基同時事故で試算
経済産業省原子力安全・保安院が東京電力福島第1原発事故後、原発周辺で防災対策を充実させる地域を広げるべきだとする分析をまとめていたが、活用していなかったことが14日分かった。
保安院は事故直後から、事故の進展予測や周辺に及ぼす影響などの分析を、原子力安全基盤機構に依頼。3月から7月にかけて分析した39テーマを公表した。
このうち3月26日の分析では、3基同時事故で試算したところ、防災地域は約16~19キロ拡大することが妥当との結果になったが、実際には生かされなかったという。
森山善範原子力災害対策監は「あくまで仮定の検討だったのではないか」としている。
2011/10/14 22:15 【共同通信】