風評被害に立ち向かえ 福島でゲレンデ逆走マラソン
2011年11月6日19時4分
冬のシーズンを前に、原発事故による風評被害を受けている福島県猪苗代町の6スキー場が、合同して逆境をはねのけようと、オフシーズンのゲレンデを駆け上がる「ゲレンデ逆走マラソン」大会を連戦形式で開いている。5、6の両日は、県内外から50人以上が参加、全員完走した。
猪苗代町には、国際スキー連盟のフリースタイル・モーグル競技で昨年まで12年連続して世界大会の舞台になったゲレンデもある。だが、約90キロ離れた東京電力福島第一原発の事故による風評被害で、大口客としてあてになるはずのスキー修学旅行の予約はこの冬、どのスキー場もキャンセルが相次いでいる。あるホテルでは学校関係は、昨シーズンより7割減という。
スキー業界全体も人気が陰っている。全国のスキー場利用者は2010年は約3億人と、ピーク時(94年)の半分以下。福島県ではピーク時の約3分の1まで減った。
それでも猪苗代のスキー場関係者は「嘆いても仕方がない。スキー場が元気いっぱいの姿を見せよう」と、マラソン人気をてこに、目を向けてもらう企画を考え出した。10キロと5キロの部があり、山裾からゲレンデを駆け上がって山頂で折り返し、一気に下りる。10月から来年6月まで、会場を移しながら7戦する。1戦のみの参加も可能だ。