東北の大地震600年周期 今後50年は「ほぼ0%」
政府の地震調査委員会(阿部勝征委員長)は24日、東北地方の太平洋沖で東日本大震災のような巨大地震が、過去2500年に4回起きていたことが確認できたとして、地震が繰り返す平均間隔を600年程度とする長期評価をまとめた。
次の大地震は、宮城県沖から福島県沖にかけてマグニチュード(M)8・4~9・0前後の規模となり巨大津波が発生する可能性があるが、今後50年以内に起きる確率は「ほぼ0%」としている。
調査委は、東日本大震災を受けて、三陸沖から千葉県・房総沖に今後30年以内に起きる地震の発生確率や、予想される規模などの評価の見直し作業を進めている。
2011/11/24 21:33 【共同通信】
誤解を受けそうな記事だなぁ。
基本的に、地震予知とか火山予知などというものは、震災後に日本地震学会も「不可能」と声明を出しましたが、ほとんど不可能です。
世界中を見渡せば、予知をしている火山もいくつかあることはあるのです。
しかし、ほとんどの断層や火山の活動は、人間の営みではなく、地球の営み規模で考えなければならないのです。
地震や火山関連には、●%という表現が良く使われますが、これだって意味がない。
例え1%でも、明日の場合もありますし、99%でも1年以上何もない場合もある。
それに、仮に可能性が高まったとしても、それを公表することによる経済的損出を考えると、外れた場合に責任も取れません。
ですから、予知なんていうのは分かったとしても軽々しく公表は出来ないそうです。
大学生のときに、地震学の教授に「この学問はすぐに助教授や教授になれる」と熱心に口説かれたので、かなりマニアックなことまで学ばせていただいたのですが、基本的には過去の文献をあさることと、ボーリング調査と空白域の調査が(当時は)メインだったのです。
最近のコンピュータグラフフィックの解析を見たりしていると、時代は進んだと感じます。
話は戻しますが、ボーリング調査には莫大な費用が掛かりますから、遅々として進まないんです。
いつ起こるかわからない地震に国も地方公共団体もお金を出したがりませんでしたし。
分かったところで、だいたい1000年に1回とか早くても宮城県沖とかで20数年に1回などという程度ですから、緊急じゃないんですね。
分かることといえば、動きやすい断層と動きづらい断層、噴火しやすい火山と噴火しにくい火山。
どちらにしても、専門家は地球規模の時空で語りますから、人間の寿命と比べると、たいていが気にしなくて良いレベルになってしまうわけです。
その意識が、今回のリアス式海岸での大被害に繋がってしまったわけですが…。
おそらく、今回の震災の反省から、湾の横に広がる平野部は暫く建築が規制されることになるでしょう。
しかし、100年200年経ってしまえば、またそこには町が広がるのだろうと想像できます。
日本は、三陸沖から西南海までの広い地域で、何回も津波に襲われながら、その都度、津波に飲み込まれた場所に町を築いてきたのです。
地震や火山の研究は今後も必要ですが、予知を語る記事は話半分程度が良いと思います。
それに、学者がなんと言おうと、民衆は住みたいところに住み、動きたいところを動くのです。
311では、従姉をはじめ、近しい人が何人か亡くなりましたが、少なくとも私は地震や火山の災害に巻き込まれたときには、運命と思うしかないと思っています。
それなりには、地震対策などはしていますけどね。