「ナトリウム漏れ起きないという方がおかしい」 福井・原子力機構理事長が不用意発言
2012.1.6 14:19
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長は6日、高速増殖炉について「ナトリウム漏れが起きないと思う方がおかしい」と述べた。もんじゅは平成7年に冷却材のナトリウム漏れによる火災を発生させており、福島第1原発事故で国が進めている核燃料サイクルの見直しにも不用意な発言が影響しそうだ。
同日、西川一誠・福井県知事との面談後、報道陣との質疑で答えた。
鈴木理事長は「世界では、確認できるだけで100回以上のナトリウム漏れ事故が起きている。誤解を恐れずに申し上げれば、起きないという方がおかしいと思っている」と述べ、「漏れが起きた際、設計の通りに安全機器が作動し、運転員が対応できるのかが技術だ。その意味で、平成7年のもんじゅの事故は不適切だった」とした。
【産経新聞】
この理事長の言うことは正しい。
形あるものはいつか壊れるのは道理。
まして、もんじゅのように複雑な配管のものでは異常が起こりやすいのも当たり前。
ポイントは、多少の事故を許容して、多少の漏れを許容して、大惨事を許容できるのか?
それとも、危険なナトリウムを使う高速増殖炉を許さないか?
空気に触れれば燃えるし、水をかけると爆発するナトリウムは、厄介すぎる。
「漏れるはずがない」「危険なはずがない」という建前で運営されるより遥かに安心できる。
そういう意味でも、この国の原発行政は間違えているし、この人の発言が問題発言とされてしまうことのほうが間違えている。
もんじゅを動かすことは反対だけれども、この理事長は少しだけ人間性があると私は思います。
でも、もんじゅは諦めようね。