狭い場所も楽々、原子炉調査の実績も 英国のスネークロボ
2012.01.03 Tue posted at: 11:00 JST
ロンドン(CNN) 狭い場所に滑り込み困難な作業を進める蛇型のアームロボットの開発元企業が、東京電力福島第一原子力発電所での作業支援に名乗りを上げた。
ロボットを開発したのは英企業OCロボティクス。2001年にプロトタイプを開発し、その後改良を続けてきた。
同社マネジングディレクターのバッキンガム氏はロボットの仕組みを、人間の腕と同じように大きな筋肉がワイヤロープの腱(けん)で関節につながれていると説明する。ロボットを制御するモーターはベース部分に置かれている。
ロボットの機能性を確保するためには直径が重要だ。アームの全長と直径の比が30対1というのが最適な割合で、さまざまな作業に対応できるという。ロボットのアームは中空で、カメラや照明、溶接、切断、ものをつかむなどの作業を行うための器具を先端に送り、作業を実行する。
アームや先端の器具を操作するのは人間で、作業を完全に無人化することはできない。しかし、作業の安全性が格段に向上するとバッキンガム氏は言う。その例が原子力発電所での作業だ。
このスネークロボットは、2004年にはスウェーデンにある原子炉の管理作業で、10年にはカナダの原子炉の調査で採用された実績があるという。
最近では、11年に英国の核処理施設セラフィールドで機器のデモンストレーションを行った。同施設の技術部門ディレクター、リーブ氏はデモの感想を「予想以上のものだった」と語った。リーブ氏は「理想的には、人員を送り込みたくはないし、大きな穴も開けたくないというような状況がある。例えば、厚さ4フィート(約1.2メートル)のコンクリート壁の向こうの状況を確認したいというような場合だ」と説明する。
ロボットを導入すれば、こうした作業の費用を数百万ドル程度削減できるとリーブ氏はみている。作業員が危険な空間に入る回数を減らすことが出来れば、金銭面での効果以上のメリットもある。
OCロボティクスのバッキンガム氏は、福島第一原発でのロボット活用を提案しているが、11年11月中旬時点では返答を得ていないと明らかにした。今後は航空や軍事、医療などの分野での利用を模索したいと開発元は考えている。
【CNN】
高い放射線の中ではロボットでさえ配線や基盤がいかれてしまい動かなくなることが分かっているので、この機械で格納容器から漏れている核燃料を見ることができるのかは疑問です。
セラフィールドでのデモンストレーションがどの程度の線量の中で行われたのかは興味深いです。
というか、私は溶融した核燃料がどの程度まで侵食しているのかが分からないという点も怪しいと思っているんですけどね。