遅れまくりの感想の2回目です。
オープニングはまた頼朝とベラならぬ政子。
いや、ベラだって。
伝令の「草薙の剣が見つからない」というのに対して、鞭を振るうか変身して妖怪になってしまいそうな勢いです。(笑)
杏は「身体の軸」ができたような気がしますね。
えーと、この平清盛は平家滅亡までやるそうなんですけど、本編は平清盛の人生が描かれ、アバンは頼朝の回想が逆算されていくなんて感じだったらちょっとワクワクしてきそうです。
ただ、このパターンで50回やるのはちょっとキツい気がします。
どこかで変化球を入れてくるのでしょうが、義経の配役が発表されていないところを見ると、次か次くらいには変化するのでしょうか?(すでに放送済みですが私は知らん)
ただ、
「剣の行方がわからぬと聞いて、清盛だと思った。
今も平清盛がどこかで生きていて、剣を振り回しているのだと・・・」
というのは違和感がある。
源頼朝は、平治の乱ののちに清盛と対面し、本来死罪となるところを伊豆の蛭が小島に流されるわけです。
そのときの清盛はすでにいい年。
子供が、おっちゃんの若いときを想像するというのは無理があると思うんですよね。
それに、頼朝は異様に清盛に心酔していませんか?
無用なアゲはつまらないと思うんですよね。
さて本編。
市場で暴れる平太。
雰囲気は出ているけど、マツケンの剣の使い方はいま一つかな。
剣が「直刀」であるところも殺陣のしにくいところなのかもしれません。
清盛が「直刀」を使うのは、三種の神器である草薙の剣に繋げているのかもしれませんが、なんとなくベルセルクのガッツを思い出してしまいました。(服は白いけど)
殺陣よりも勢いを優先させたのでしょう。
しかし、後で出てくる舞いの場面も型よりも勢い。
1話の中で重ねるとクドいですね。
とりあえず「清盛はグレている」ということを伝えたいらしい。
賭博に使われているのは平安時代の双六。
今風に言えばバックギャモンです。
若い頃に2年くらいはまりましたねぇ。
「ゾロ目」が鍵を握る遊びで、ここ一番で出せる運の強さが重要でもあります。
こうしてみると、単純ではない伏線がいろいろと張られているようですね。
みどころは市場を逃げる場面。
高い位置から市場を見渡させるだけの面積のセットを作ったのは今後も使って欲しいです。
とくに、一瞬だけ映る山門の雰囲気が良かったですねぇ。
グレているけど元服はする。
1話で匂わせていた家族の軋轢が増していることを印象付ける場面です。
中井父ちゃんの忠盛と弟の忠正は、跡継ぎのことでもめている。
清盛(平太)は母の宗子の過去の発言を根にもっている。
父親の生き方にも不満を持っている。
弟は呑気。(笑)
「オレは父上のようにはならぬ!貴族にも!王家の犬にも!」
それにたいして、忠盛は父親らしく堂々と「好きにせよ!」と言い放ちます。
獅子は谷に自分の子供を落とすというヤツですね。
結局はグレているので、
自分の馬イクで走り出す~♪
と夜の京を疾走。
この頃の京は、日が落ちたら1人で走り回るなんて危険なんですけどね。
それに落馬は相当危ない。
骨折で武士生命が終了することもあるし、それこそ脳挫傷で生命が終了してしまいます。
そうじゃなくっても、夜盗に襲われてもおかしくない。
落馬して大騒ぎ。
「だれなんだオレはぁ~」
「オレは・・・オレは・・・だれなんだぁ~~~」
だれでもよーーーーーーーーーい!
受けた。
できれば白ブリーフ1枚で出てきて欲しかった。
阿部サダヲの登場によって話は一区切り。
白河上皇の「殺生禁断令」の話に移ります。
ここらへんは学校の日本史では教えない世界です。
まあテレビで触れるのも珍しいレベルです。
白河上皇に限らず、仏教を信仰する天皇はたびたび「殺生禁断」を命じています。
これは、仏教そのものが「殺生」を禁じているからですね。
生き物を殺すことは不殺生戒という大罪で、犯すと来世で苦しむことになると信じられていました。
農業も流通も発達していない時代ですし、獣や魚を獲ることは人間の本能でもあるわけで、民衆の貴重な食料でもあるわけで、仏教的思想が浸透していない民衆には迷惑千万な話なのです。
白河上皇の「殺生禁断令」は、徳川綱吉の「生類憐みの令」ほどではないにしても、やや厳しかったようです。
権力の座を登りつめた上皇の、それでも尽きぬ「妄執」を表現するのに、あえて踏み込んだ勇気に拍手を送りたいです!!!
場は一転して海の上。
成長した鱸丸は、一昨年の中岡慎太郎。
ステップファザー・ステップを見ていても思うのですが、ちょっと顔がお太りになりましたね。
そのため、ちょっと若い役が厳しくなっていないですか?
ここでは「殺生禁断令」の弊害を民衆の視点から描こうと踏み込んでいます。
ここら辺から細かな場面がちょっと駆け足ながら積み重ねられます。
祇園女御の諫言も聞かない白河上皇。
一応は息子に当たる平太を気にしている風です。
白河上皇に寝取られながらも璋子のところに通う鳥羽上皇。
1話で隠居させられたので上皇になっています。
鳥羽院と頼朝も読んでいますが、院になったからといって権力が握れるわけではないんです。
鳥羽上皇は、白河上皇にムラムラと憎しみを募らせています。
そんななかでの平太の元服。
佐藤二朗登場。
胡散臭さ爆発!
難癖をつける平太に対して、さらには藤本隆宏登場。
JINの西郷さんです。
ポンポンとキーマン登場で、無理矢理元服。
清盛と名も改められて大人になったので、自分の馬イクで走り出すわけにも行きません。
「殺生禁断令」の弊害により、兄貴分鱸丸の父である滝次が捕らえられ、それにより清盛は育ての父である忠盛と対決。
しかし、その中で忠盛は清盛の中に芽生えている「武士」としての自覚に喜びます。
次いで実の父である白河上皇とも対決。
ここで、母の死を知らされ、自分の生きる立場の儚さを知らされます。
同時に、白河上皇の弱さも知り、自分の弱さも知ることになります。
どこかで上皇の子供と甘えていた自分を知り、決別を覚悟しようとしたのでしょう。
ちょっと音楽がうるさい。
「遊びをせんとや・・・」を何回も何回も。
まあ、覚悟を決めた清盛は、父に舞いを教わることを願い出ます。
勉強不足でよく分からないのですが、祖父の正盛も岩清水で舞っているなどということから、そのような仕事を帯びた家であり、「舞を教わる=平家の子供になる」を意図しているのでしょう。
舞いもガッツ。
型よりも勢いを優先させたのでしょうが、ここはもう少し修行を重ねて欲しかったと思います。
去年の冒頭の江の「呪いの舞」もそうですが、古典芸能は役者のためにも、視聴者のためにも、後世のためにも丁寧にやって欲しいです。
途中から、反刀をかなぐり捨てると、やたら目に付く直刀を鱸丸が投げ込みます。
どう見ても重いんだな。
後半は振り回されちゃってるもん。
最後に白河上皇に刀を突きつけるところは、本当の決別なのでしょう。
わずか2話で白河上皇退場。
もったいないなぁ。
まあ、後を考えるならいいペースかもしれません。
後のライバルとなる源義朝(武者丸)登場。
次の悪役の藤原忠実役の國村準さんのアップで終了です。
んーーー楽しいぞ。
けっこうきちんと風俗も取り入れているし、主演のコーンスターチさんも助演の煙さんも頑張っています。
貴族も胡散臭い顔ばっかりで、これだと鬼の副長が出てくると逆に浮いちゃいそうな気がします。
正直、鳥羽上皇の矢野君も眉を塗りつぶさないと置いてきぼりを食いそうな感じですもん。
ただ、音楽はかかりすぎ、頼りすぎ。
音響は控えめでいいよ。
あと、朝廷の女優陣はこれから見せ場なのでしょうが、あの眉なしのりょうでさえまだキャラが立ちきっていないので、今後の奮闘に期待。
・・・視聴率が悪いの?
もったいないなぁ。
【追加】
まだ2回しか見ていませんが、この大河は近年の大河にしては珍しく【皇室】に踏み込んでことに期待したいです。
どうも最近の大河は【皇室】と【宗教】には及び腰に感じてならない。
平安末期などが取り上げられづらいのも、皇室や宗教にいらぬ配慮をしているっぽい。
だから、大河で天皇が出てきたとしても、お飾りのように座っているだけで2・3話をするだけで終わり。
こんなに皇室の人々が生々しいのは久しぶりじゃないでしょうか?
先週の白河上皇のベッドシーンに続き、今週は鳥羽上皇のベッドシーン。
祇園女御へDVをはたらいたりと、もうR15指定でもいいんじゃないかってくらい。(笑)
挙句の果てには、殺生禁断令にいたっては白河上皇の「欲」としちゃっているわけですし、こんなに能動的な皇室は見ていて楽しいです。
宗教に関してはまだ分かりませんが、とりあえずは、近年の大河よりは踏み込む意思は感じられました。
末法思想のドロドロした部分を描くつもりはなさそうですが、多少は踏み込まないと平安末期ではありません。
できれば【皇室】と【宗教】のタブーに踏み込んで、そろそろ奈良の聖武天皇や孝謙天皇を主役に!なんてできないかなぁ。